Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

映画 夕陽のガンマン   クリント・イーストウッド  主演

夕陽のガンマン [Blu-ray]

 

若き日のクリント・イーストウッドはカッコいい、かたや、相棒となる、リー・ヴァン・クリーフもカッコいい、二人とも早撃ちの名手で、定めた狙いは外さない、が、映画はマカロニ・ウエスタンとはいえ西部劇で、わりと、簡単に人間を撃ち殺していく、お尋ね者の死体が山と積まれたトラックが映し出されたりして、割と壮絶感も漂わせたりする。クリント・イーストウッド主演の大ヒットしたマカロニ・ウエスタンの第2作目である、

 

一応、マカロニ・ウエスタンというのはいったい何かというと、イタリア製の西部劇のことで、スパゲッティ・ウエスタンであるとか、ティラミス・ウエスタンであるとか命名せずに、甘くも柔らかくもない、ゆであがる前の 硬いマカロニを選んで、”マカロニ“ ウエスタン と命名したところに、先にも書いた、死体がゴロゴロ出てくる、やたらと人を撃ち殺す ”男の世界“(?)、”硬派の世界(?)“ をイメージしたのではないか、と考える。

 

もう一人の賞金稼ぎの大佐、リー・ヴァン・クリーフはスーツに身を固め、どちらかというと、スタイリッシュに、クールに、お尋ね者をしとめていく、彼には賞金稼ぎをするそれなりのある理由があるのだが、風来坊風のクリント・イースドウッドの賞金稼ぎと、対称的で、対称的な二人が、協力し合うようになるところも面白い。

 

日本語タイトルは「夕陽のガンマン」であり、原題は「For a Few Dollars More」(もう数ドルのために)と言って、前作「荒野の用心棒」に続き、用心棒ではなく、賞金稼ぎが主人公の映画である。

賞金稼ぎの映画なのに、”用心棒” とした、前作「荒野の用心棒」の邦題は、監督のセルジオ・レオーネ黒澤明監督の「用心棒」のファンであり、日本映画「用心棒」へのオマージュから第一作目 (原題「A fistful of Dollars」《一つかみのドル[金]》)、 を製作したことを考えて日本語タイトルを「荒野の ”用心棒“」としたのは明白。

 

 

用心棒

 

 

筆者が驚いたのは、賞金稼ぎというのは昔の西部開拓時代の話だとばかり思っていたのだが、現代のアメリカにも形を変えて ”賞金稼ぎ(bounty hunter)” という ”職業“ があるらしい、ということ、もっとも、西部開拓の時代のように、お尋ね者の遺体にも賞金を支払うということはもちろんなく、”該当する法律に従って犯罪者や逃亡者を逮捕することで報酬を得ている“ とある。どうやら、アメリカには、保釈の際の保釈金を立て替えてくれる会社があり、その保釈金を踏み倒して保釈中に逃亡する犯罪者が多く、そんな犯罪者を追跡して捕まえて、高額な保釈金を取り戻し、謝礼をもらう、というシステムのようだ。

 

そういえば、映画「スターウォーズ」にも賞金稼ぎ(Bounty hunter)は登場していた、賞金稼ぎボバ・フェットはハン・ソロを追跡して、捕まえ、ジャバ・ザ・ハットに引き渡していたではないか。西部開拓の時代から、現在を経て、遠い未来のSF映画まで…賞金稼ぎが日常の生活の中にも普通にある職業として成り立っている社会であるからこそ、のボバ・フェットだったか。

 

映画「夕陽のガンマン」、賞金稼ぎという言葉を第2作目も使わず ”ガンマン“ としたところにクールさを感じる、又、”夕陽の“ とつけたことによって、なんというか寂莫とした荒涼感が出て、背中に夕日を浴びてたたずむガンマンの姿が浮かぶイメージ、確かに、映画の舞台となっている西部の町は荒れた、そっけなさを醸し出す寂莫感漂う街になっている。

 

是非、この映画で、若き日のクリント・イーストウッドの早撃ちに堪能して、黒澤明監督の映画「用心棒」及び、「椿三十郎」、こちらも観てほしい、賞金稼ぎと用心棒、西と東、どちらもクールで、ハマることは間違いないよ!

 

 

 

椿三十郎

 

映画 勝利への脱出   シルベスター・スタローン 主演/    ジョン・ヒューストン 監督

勝利への脱出 (字幕版)

 

 

”脱走“ を扱った映画は数あれど、集団での脱走と聞いてすぐに思い浮かぶのは、往年の名作、映画「大脱走」であり、この映画には数々の有名スターが出演しているのだが、一番に思い出して、印象に残っているのは、スティーブ・マックイーン演じるアメリカの航空兵ヒルツであり、単独行動で脱走を試みるさまは、この映画「勝利へ脱出」のシルベスター・スタローン演じるアメリカ軍大尉のロベルト・ハッチを思い出させる、いや、逆か、ロベルト・ハッチがヒルツを手本にしたという方が当たっているか。

 

この映画の場合は ”脱走“ がテーマだが、この映画に思い起こされるスポーツ映画には、こちらはクリント・イーストウッド監督、アパルトヘイトがテーマの映画「インビクタス/負けざる者たち」とブラド・ピット主演、弱小チームを強豪チームに作り替えていく映画「マネー・ボール」、と、それぞれ全く違ったテーマ、背景の映画なのだが、スポーツを中心として、弱小チームが次第に強くなって、最後に、大きな感動を与える、というストーリー展開に、スポーツの持つ底知れに力を感じ、サッカー、ラグビー、野球という異なるスポーツではあるけれど、スポーツって侮れぬ、人間の心をこうもわしづかみにするものなのか、と改めて思う次第。

 

映画に話を戻すと、この映画で重要な役割を果たすスポーツはサッカーであり、映画には現役のサッカー選手や往年のスター選手が多数出演して、話題を呼んだという、あいにくと、サッカーに疎い筆者は、サッカーファンと違って、だれがどの選手なのかはトンとわからなかった、ルイスという選手が見事なオーバーヘッドキックで得点を決めるシーンでは、そのキックのシーンが何度も繰り返しスローモーションで映し出されて、さすがに、スゴイキックだ、と、サッカー素人の筆者も感心していたのだが、後から、その選手がサッカーの神様と言われるペレであった、と知った、この映画に出演している有名サッカー選手たちを探して楽しむ、という楽しみ方は残念ながら筆者にはできなかった、もったいなかったかもしれない。

 

ドイツ軍と連合軍の捕虜のサッカーチームによる親善試合の展開は、実際にあった史実をもとにしているようだが、その裏で進められた脱走計画は映画のためのフィクションであるのか、ロッカールームに抜け道が予定通り作られたときの選手たちの選択、思わず、それはあり得ないよ、と愉快になり、スポーツってそこまで選手たちを熱中させられるものなのか、と、ジョン・ヒューストン監督のサッカーへの思い入れを感じた。

 

 

ランボー (字幕版)

 

 

が、最後のペナルティーキックの場面、ドイツチームのサッカー選手と、シルベスター・スタローン演じるゴールキーパーとの対決なのだが、せっかく主役のスタローンの見せ場、なんだか、あまりにもあっさり終わってしまって、拍子抜けした、もう少し、撮りようなかったのか、と、思わずにはいられなかった。ドイツ選手のキックも迫力なかったし、もっと稲妻みたいなキックさせてほしかった、そして、スタローンは、ここは、ランボーみたいな超人的なゴールキーパーとして‥‥どうかしら。

 

それで、結局 ”脱走“ のほうはどうなったのか、と思いながら、ラストを迎える、このラストは好きだ、いいと思う、フィクションなので史実とは違うらしいが、筆者はこのラストとってもいいと思う、ロッカールームでの選手たちの選択は間違っていなかったな、と思わせてくれる。ラストを見るまでは、スタローンのスタンド脱走、これがないとストーリー展開しないのだが、そしてまた、先に書いた、スタローンの最大の見せ場の描かれ方、ちょっと、なんだか、しっくりこない、いかがなものかと感じ、これは、”悪くないけれど残念な映画“ かなあ、と思っていたのだが、ラストシーンが気に入った、なので、良しとしよう、と、思いました!

 

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映画 素晴らしき哉、人生!   ジェームズ・スチュワート主演/   フランク・キャプラ 監督

素晴らしき哉、人生!(字幕版)

 

英国の作家、チャールズ・ディケンズの小説に「クリスマス・キャロル」というのがあって、けちで意地悪なスクルージおじいさんが、”クリスマスの奇跡“ によって、心優しいお爺さんへと変貌していく物語がある、もちろん、映画になったり、ミュージカルになったりと、人気のクリスマスシーズンの物語である、また、「34丁目の奇跡」という映画もあって、これはタイトル通りに ”クリスマスの奇跡“ のお話であろう、残念ながら筆者はまだ未見ですが、そして、この映画「素晴らしき哉、人生!」も、同じく ”クリスマスの奇跡“ の物語である。

 

亡霊と天使という違いはあるけれど、映画「素晴らしき哉、人生!」での奇跡の起こり方は 「クリスマス・キャロル」に近いように思われる、かように、欧米諸国では、クリスマスにはハッピーな不思議な魔法がかけられ ”奇跡“ が起こると、昔から、皆、考えるのが好きだったようである。

 

クリスマス・キャロル (新潮文庫)

 

 

クリスマスの ”奇跡“ の物語である、映画の冒頭から ”神様“ の声が聞こえてきて、天使が登場するとわかる、もしかしたら、子供向けのファンタジーの映画ではなかろうか、と観ているほうもつい思う、ストーリーも子供仕様だったら、参るなあ、とか…しかし、ストーリーが進行するにつれて、そんな杞憂も吹っ飛び、物語はなかなかシビアに、面白く、人生の皮肉のようなものを織り込みながら、進んでいく、ジェイムズ・スチュアート演じるジョージ・ベイリーの人生の物語は面白い。

 

そんな主人公、ジョージ・ベイリーが人生最大の苦境に立たされる、絶望に突き落とされたベイリーに ”クリスマスの奇跡“ が起こるところが、この映画のクライマックス、となる。天使の登場の仕方も、まあ、ユニークであった。天使の力による ”クリスマスの奇跡“、この奇跡が、ファンタージー調にならず、子供仕様にならず、うまく、大人仕様にまとめ上げたところ、観ていてホッとした、フランク・キャプラ監督、腕の見せ所。キャプラ監督の ”クリスマスの奇跡“ はよかった、大人でも十分に鑑賞に堪えうる ”奇跡“ であた、結局、いい話。

 

映画のラストでは、天使が持っていたマーク・トゥエイン著「トム・ソーヤ―の冒険」の物語が、ベイリーのもとに残される、これは映画の流れとは全く関係のない、監督の仕掛けであるが、実に、巧みな仕掛けである、と筆者は考えた。何が一体、仕掛けなのか、と問われるならば、天使の持っていた本が “マーク・トゥエイン” 著の小説であること、それも、アメリカ人なら、きっと、子供から大人まで誰もが知っていると思われる「トム・ソーヤ―の冒険」であることか。

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

 

 

マーク・トゥエインは ”tall tale (ほら話)“ とその手法を自身の作品に巧みに取り入れて、数々の名作を生みだした作家である、そのマーク・トゥエインの著作、それもあまりにも有名な著作が、天使からベイリーに贈られた”奇跡“ と合わせてもう一つのクリスマス・プレゼントであった。これの意味するところは何か? 一目瞭然ではないのか、フランク・キャプラ監督も、マーク・トゥエインと同じく ”tall tale” を巧みに自身の映画に取り入れて、みごと、”クリスマスの奇跡“ の物語を作り上げた…‥と筆者は思う。

 

素晴らしき哉、人生!」、大人のファンタジーと言えるのではないか、フランク・キャプラ監督の ”tall tale" に耳ならぬ ”目“ を傾けて、クリスマスには幸せな気分に浸ってみるのも悪くない、そんな、クリスマスには相応しい、本当に、いい映画、でした。

 

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映画 12モンキーズ   ブルース・ウィリス  主演/   テリー・ギリアム 監督  

 

12モンキーズ(字幕版)

 

イギリスに、モンティ・パイソンというコメディ集団がいて、イギリスのBBCで、“Monty Python's Flying Circus” という番組を昔放送していて、日本でも、テレビ東京で放映され、デビューしたばかりの頃のタモリが、番組中でイグアナの物まねをやっていたりした、そんなTV番組があった。そのモンティ・パイソンのメンバーは、エリック・アイドルジョン・クリーズ、マイケル・ぺリン、テリー・ジョーンズ、グラハム・チャップマン、テリー・ギリアムの6人で、テリー・ギリアムは番組のアニメを担当していたが、たまに、コントにも顔を出すときがあった。

 

モンティ・パイソンの時とは全く違ったトーンで、そのメンバーの一人、鬼才テリー・ギリアム監督が撮影した作品が「12モンキーズ」であり、タイムトラベルしながら、わずかな生き残りの人間を地下生活へと追いやった、殺人ウィルスの元凶を発見して、未来の人類を救うというミッションを帯びている未来人ジェームズ・コールを「ダイ・ハード」シリーズで、”なかなか死なない“ 強靭なヒーローを演じたブルース・ウィリスが演じ、ギリアム監督とのタッグで、この映画「12モンキーズ」を異色な映画にしている。

 

観ている観客は、映画の最初から最後までこのタイトルにもなっている “12モンキーズ” に振り回されながら、ラストを迎えることとなる。ラストは、モンティ・パイソンらしいブラックであるが、決して、ブラック・ユーモアにはならず、ここらへんはコメディアンのテリー・ギリアムとは違う、と魅せるところであるか、同監督の「未来世紀ブラジル」も、暗いエンディングだったと記憶する。

 

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2014年にパイソンズの ”復活ライブ“ がロンドンで行われたが、その時もテリー・ギリアム健在で、世界的大物監督(!?)となったテリー・ギリアムも、あのようなコントするのか、なんか違う、スゴイ、と思わせてくれた、もっとも、テリー・ギリアムのみならずパイソンズもメンバーは亡きグラハム・チャップマンも含めて、全員、復活ライブでは、文字通り “飛んで!” いた、一番驚いたのは、あの、マイケル・ペリンが素っ裸で舞台の端から端まで駆け抜けたのを見た時か、パイソンズ、健在、パワーは少しも衰えていず、と、感動した。

 

そんな風に、映画監督とその作品、コメディアンとその作品のギャップが大きすぎるところも、テリー・ギリアムと彼の作る映画が人を惹きつけるゆえんであるのか、と感じる。そんなパイソンズのメンバーのテリー・ギリアムが作った映画である、映画のあちらこちらに、いたずらというかトリックというか、仕掛けのある映画、注意深くよく見ていないといけないかな。

 

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ブラッド・ピットが共演しているが、映画の前半でジェフリー・コインズという男のクレージーさを熱演してくれる、そのおかげであろうか、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞している、このブラッド・ピットの演技もなかなか、かも。

 

映画「12モンキーズ」、殺人ウィルスによって人類がほぼ絶滅してしまうという設定は、まさに、今現在世界を襲っているコロナウィルスを連想させ、イメージはダブり、戦慄を覚えたりもする‥‥コロナウィルスがいつ殺人ウィルスに変貌しないとも限らないな…なんて、想像してしまうと。また、アルベール・カミュの小説「ペスト」には、コロナウィルスによって陥っている現在の世界と実によく似た、ペストで苦しむ世界が描かれている、こちらも、あまりの類似に戦慄を覚えるような小説である。

 

コロナで苦しむ今の世界に身を置きつつ、映画「12モンキーズ」の監督、テリー・ギリアムは何を思うか、聞いてみたい気もする。

                            

ダイ・ハード (字幕版)

            

 

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映画 我等の生涯の最良の年    ウィリアム・ワイラー 監督

我等の生涯の最良の年 [DVD]

 

 

第二次世界大戦からの復員兵の物語である、あまりない設定ではなかろうか。第二次世界大戦アメリカは勝利者の側にいるわけで、勝利者の側で戦場から帰還した人々のその後を、しかも、その後の苦労を描くという映画はあまり見かけない。ウィリアム・ワイラー監督の「我等の生涯最良の年」では、勝利しようがしまいが、戦争という非日常を過ごしてきた人々にとっては、非日常以前の日常に戻ることがどれほど困難を伴うことであるか、そんな復員兵の苦悩を描き出す。

 

この映画では3人の、そんな復員兵が主人公となって、メンタルの問題、身体的問題、財政的問題などを抱えながら、社会復帰していく姿を描く、戦時下での功績が平和な社会で何の役にも立たない現実、身体的障害を負った人間の精神的苦悩、経済的に恵まれてはいても、メンタルがすぐには以前の日常に戻れない悲哀、ワイラー監督のタッチは、優しく穏やかに映画全体を包むのであるが、そんな優しさの中に、残酷さ、厳しさ、冷酷さ、を容赦なくブレンドしてくる。

 

劇中、特にそれを感じるのは、両手が義手となったホーマーのエピソードであり、戦時下では英雄であったであろうパイロット、フレッドが直面する、平常時の社会での厳しさ、まさに “Reality bites.” といったところ。が、この映画のいいところは、パイロットのフレッドはそんな厳しい現実に直面しながらも腐ることはなく、粛々と自分の仕事をこなしているところ、ごたごたはするけれど、恋もする、又、ホーマーはフィクションの存在ではなく、実際の復員兵であると知った時の驚愕、彼が自身の苦悩を克服した時の喜びは観ている観客のほうも拍手を送りたくなる。

 

“歴史は繰り返す” という言葉がある、これは真実であり、又、しばしばいわれる、”人間は歴史から学ばなければならない“ と言うのも、もっともなことで、とても示唆に富むセリフだと思う。が、思うに、”人間は歴史から全く何も学ばないので、歴史は繰り返す“ という方がより、現実及び真実に近いように思われる。

 

 

7月4日に生まれて (吹替版)

 

 

この映画「我等の生涯の最良の年」は第二次世界大戦の復員兵を主人公にした1946年の映画である。30年後の1976年にはトム・クルーズ主演でベトナム戦争からの帰還者、復員兵の姿を描いた「7月4日に生まれて」、という映画が製作されている。さらに、再び、約30年の後の2014年にはクリント・イーストウッド監督によるイラク戦争の復員兵を描いた「アメリカン・スナイパー」という映画が公開されている。

 

これら3作の映画は、主人公たちが従事した戦争も、戦争が行われていた時期も、復員した後にたどった運命も、もちろん全く異なっているのであるが、3作品の主人公たちは、例外なく全員、戦争という、異常な非日常空間ですごした後に、平常の日常へと ”復員“ し、苦しみぬくという、過酷な物語の映画なのである。これらの映画が製作され、上映されたという事実だけでも、人間がいかに過去の歴史から何も学ばず、同じ愚を何度も何度も、この場合、全く悪い意味で懲りずに、繰り返していることが理解できよう。

 

はからずも、これら3つの映画は全くのフィクションではなく、いずれも、モデルとなる実在の人物がいて、その実在の人物のエピソードをもとにして語られる。この事実は、ずっしりと思い、と筆者は考える。そして、歴史から何も学ばぬ人間がいる一方で、このずっしりと重い事実を、映画化して世の万人に知らしめようとする監督のいることに、映画好きな一映画ファンとして、何か救われる思いがする。

 

映画「我等の生涯の最良の年」にはユーモアもある、先にも書いたが、この3作品の中では、唯一、優しさを感じられる映画である、この映画の中で筆者が好きなシーンは、練習を重ねた義手のホーマーが、おじさんと一緒に二人でピアノを弾くシーンで、なかなかいいシーンだと思うのですが、どうかしら? 一度、ぜひ、観てほしいシーンと、その映画でした。

 

 

アメリカン・スナイパー(字幕版)

 

 

 

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映画 ミッション:インポッシブル/フォールアウト        トム・クルーズ 主演  :悪くないけれど残念な映画

ミッション:インポッシブル フォールアウト (字幕版)

 

 

ブライアン・デ・パルマ監督の第一作目の「ミッション:インポッシブル」から20年近くの時を経て、第6作目の「ミッション:インポッシブル/ フォールアウト」が世にお目見えした。主演はお馴染みのトム・クルーズで、こちらも第一作目からおなじみのIMFメンバー、ルーサー、また、前作などから引き続き登場の人物などもいて見たことあるな、という顔が揃っていたりする。

 

が、さすがに第一作目から20年近くたっている映画であるので、主演のトム・クルーズ、やっぱり老けた感があり、時の流れを感じずにはいらず、残念だなあ、と思わずにはいられなかった、まあ、いくら、世界のトム・クルーズ、映画界の大スターといっても、時の流れに逆らえるはずはなく、致し方のないことであるなあ、と、思ったり。が、老けた感があったのは、あくまでも、ルックスにおいてであり、映画の中でのアクションシーンは20年以上前の、第一作目の「ミッションインポッシブル」と比べても、何ら遜色なく、手に汗握るアクションシーンを見せてくれる、日ごろの鍛え方、並大抵なものではないのだ、と思わず、唸る。

 

映画「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」、アクションは、さすがなのである、映画タイトルが ”フォールアウト“ というだけあって、映画の中でトム・クルーズ演じるイーサン・ハントはダイナミックに ”落ちる“、まあ、辞書によると、タイトルの ”フォールアウト( fallout )“ は、”放射性降下物“ というのが本来の意味であるようで、これも、映画の内容を言い当てているタイトルではあるのだが、きっとトム・クルーズも監督も、単純に ”落下する“ という意味合いも、このタイトルにだぶらせていることは、当然かしら。高いとことから落下するのはこの第6作に限ったことでもないんだけれど‥‥。一方、 ”fallout” には ”仲たがいする“ という意味もあり、こちらも、映画の内容を思うとき、さもありなん、と感じるところ。

 

 

 

ミッション:インポッシブル(吹替版)

 

 

 

まず、映画の冒頭、異常に高い高度から、酸素を吸入しながらスカイダイビングする、まさに “fall out” 、このシーンを見て思ったことは、スカイダイビングというものは、ものすごい勢いで落下しながら、落下している最中に、なんていうのか、いろいろなことができる、ものなんだな、と改めて知った。よく、テレビなどの映像で、大勢の人数で一斉にスカイダイビングして、水の中を泳ぐように、空気の中を泳いで、一緒にスカイダイビングしている人に近づいて行って、パラシュートを開くまでに、みんなで輪になって手をつないでみたり、いろんなポーズとってみたり…とか、”落下“ しながら、驚愕!!!

 

映画のラスト近くでは、今度は、ヘリコプターで落下、さらには、断崖絶壁からも落下、と、トム・クルーズの “fall out” を堪能させてくれる。”落下“ するばかりではない、バイクに乗ってのカーチェイスあり、素手によるバトルあり、と見せ場に事欠かない娯楽度。また、この映画で、トム・クルーズはよく走る、走って走って、ビルとビルの合間をジャンプして、その身体能力には驚かざるを得ない、トム・クルーズ、頑張っているよ。

 

スーパー超人的イーサン・ハントを観客に見せつつ、映画は、ラストに、そして、ラストもやっぱり、スーパー超人的イーサン・ハントがコンマ1秒、という、瀬戸際の瀬戸際で、世界を救うという、シリーズおなじみのラスト、シリーズおなじみのラストではあるのだが、観ているほうは、わかっていても、ハラハラドキドキさせられる、観ているほうもしょうがないね、が、これが、シリーズが6作も続き、興行収入がシリーズの中でも一番である秘密であるか。

 

そんなふうに、アクションには全く問題なく楽しめる映画なのであるが、トム・クルーズのファンとしては、やはり、なんだかトム・クルーズ老けた感、は残念であり、時の流れで仕方がないね、というのは百も承知しながら、トム・クルーズはやっぱり、永遠に若々しくなくちゃいやだ、という無理なこと思うファンのわがままによって、この映画、悪くないけれど残念な映画としようと思う。

 

 

ミッション:インポッシブル/ ローグネイション (字幕版)

 

 

 

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映画 道    フェデリコ・フェリーニ 監督

道 [DVD]

 

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品であり、フェデリコ・フェリーニ監督の代表作の一つといわれたり、ネオリアリズム映画であるとか、言われたりしている映画である。映画の冒頭で、主人公の少女ジェルソミーナは二束三文で、大道芸人のザンパノという男に売られてしまう、この男は、以前、ジェルソミーナの姉を、同じようにこの家族から、おそらくその時も二束三文と想像されるが、買っており、その姉が亡くなってしまったので、姉の代わりにジェルソミーナを買いに来た。フェリーニはさりげなく、あっさりと、さらりと映画の冒頭で描いているが、これは、人身売買ということであろう。あまりにも、さらりとこのシーンは描写されているので、みているほうは、この、結構、重大な事実を映画を観ている間に忘れ去ってしまうかもしれない。

 

映画は、そんな風にして、大道芸人のザンパノと旅をしながら生活するようになった、ジェルソミーナとのロードムービーであり、大道芸人ザンパノの助手として、ジェルソミーナ自身も芸を披露するようになり、いろいろな事件や出来事が起こっていくのを、フェリーニは見せる、旅をしているうちに、ジェルソミーナも次第にザンパノになついていき、好意を持ったりもする。

 

かたや、ザンパノのほうはどうかといると、最初は “物” 同然だったと思われるジェルソミーナに、少しづつ好意を抱くようになって、少しづつジェルソミーナを人間扱いするようになっていく。が、あくまでもこの男は自分本位の人間であるので、ジェルソミーナに最後まで責任を持つわけでもなく、やはり、生きるための ”金“ が何よりも大事、ということもあって、この二人の旅は、なるべくしてなるようにしかならない。

 

ラスト、観客はザンパノが一人嘆き悲しむ姿を見せられることになるのだが、果たして、この男が、心の底から悲しみ、後悔しているかどうか、と考える時、それは疑わしい。もしかしたら、本心からの嘆きなのかもしれないが、おそらく、長くは続くまい、一時的なものであろうこの嘆きは、と筆者は考える。ここで、映画はラストを迎えるわけなのだが、観客は映画の冒頭に戻ってみよう。

 

ジェルソミーナの家族には、まだ、幼い妹がいたではないか、この男は、いずれまた、ジェルソミーナの家族の元を訪れ、同じことを繰り返すのではなだろうか、ジェルソミーナがザンパノとたどった道は、ジェルソミーナの姉がザンパノとたどった道と同じであろう、貧困から抜けだすことができぬ限り、ザンパノは同じことを繰り返す、出口の見えぬ貧困とは、もしかしたら、そういうものか。

 

 

 

レディバード、レディバード [DVD]

 

 

 

ケン・ローチ監督のイギリス映画に「レディバードレディバード」という映画がある、こちらも、イギリスの貧困を描いた映画であり、ケン・ローチ監督描くイギリスの貧困さに、或る意味言葉を失った感があった。また、アメリカ映画にもリー・ダニエルズ監督による「プレシャス」という映画があり、「プレシャス」でも主人公の黒人少女かなり重篤な貧困に苦しんでいるのだが、この少女は希望という出口を見出していける幸運に恵まれる。 

 

1954年に「道」、1994年に「レディバードレディバード」、2009年に「プレシャス」と、映画の監督、もちろん、国も異なるが、”貧困“ をテーマとした映画が撮影され続け、貧困という社会問題は、持てる者と持たざる者の格差がますます広がる現代においても、普遍のテーマとなって、様々な映画が撮影され続けているのではなかろうか。

 

つい最近のニュースでも、このコロナ禍にもかかわらず、GAFAという巨大企業の収益はプラスに上がり続けているという、日本でも巣ごもり需要で、家庭で遊べるゲーム販売の大手会社は収益プラス、一方、町の飲食店や観光業は客足が途絶えて、生活にも困る、自殺者の数も少なくないという現実。

 

映画「道」は、60年以上も前のイタリアの現実を描いた映画、60年前の現実は60年たった今も変わらぬ同じ現実、科学の進歩は目を見張る21世紀であるが、社会の進歩は牛歩のごとく、ああ、今年は丑年、もちろん、牛さんを責めるわけではないけれど、この社会の進歩は、もしかしたら、牛さんの歩みよりも遅いかもしれないね。

 

 

プレシャス(字幕版)

 

 

 

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アニメ映画 千と千尋の神隠し     宮崎駿 監督

千と千尋の神隠し [DVD]

 

まず、ディズニーのアニメ、そして、手塚治虫のアニメ、そして、宮崎駿のアニメが来た。宮崎駿監督のアニメ映画をすべて見ているというわけではなく、熱烈なファンというわけでもないのだが、宮崎駿監督のアニメ映画には惹きつけられる魅力があり、「紅の豚」から始まって、「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「ハウルの動く城」「風立ちぬ」、宮崎監督の作品ではないが、スタジオジブリ制作の「思い出のマーニー」などみて、宮崎駿ワールドの魅力に惹きつけられた、そして、一番ののお気に入りはやはり、「千と千尋の神隠し」。

 

熱狂的なファンではないと書いたが、三鷹にある ”ジブリ美術館“ を訪れたことがある。短編映画「水グモもんもん」というのが上映されていて、これも観た。短編ながらいいアニメだな、とここでも感心。図書室があったり、吹き抜けのホールがあったり、ついさっきまで監督が仕事をしていた、といわんばかりの雰囲気を漂わす小部屋とデスク、大きなネコバスに外には大きなロボット‥‥と、宮崎駿ワールドを心ゆくまで堪能できる美術館。外国からの訪問客もいて、世界の宮崎駿人気を実感できたりする。

 

千と千尋の神隠し」、どこがよかったかと問われれば、もちろんジブリによるアニメ。アニメの色彩も素晴らしかった、登場人物たちもよかった、どの登場人物もユニーク、個性的、油屋という湯屋の描写もいい、映画の冒頭で両親が豚になってしまう導入もいい‥‥など、もちろんストーリーもいい。

 

群馬県四万に ”積善館“ という温泉宿がある、この宿は「千と千尋の神隠し」のモデルになったのではないか、という宿である、実際、古く趣のある客室も残っている、実は、筆者はこの温泉宿に宿泊したことがある、雪の降る寒い季節であった、宿の方がこの場所は映画「千と千尋の神隠し」にでてくる場所ですよ、とか、映画にでてくる場所に似ていますよ、とか、説明してくれた。

 

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映画「千と千尋の神隠し」は面白くて、いいアニメ映画だ。監督はどうやら観客として10歳の女の子を念頭に置いてこの映画を作ったらしいが、出来上がった映画は10歳の女の子どころが、子供も大人も日本人も世界の人々をも魅了して、メガ大ヒットとなり、ベルリン国際映画賞で金熊賞アカデミー賞で長編アニメ映画賞を受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。

 

いいアニメ映画なのである、アニメなんて子供の見る映画じゃないか‥‥などと侮ってはいけない、日本のアニメには世界中にファンがいる、日本アニメの底力は強い、アニメの魅力にまだ気づいてない方は、映画「千と千尋の神隠し」で、是非一度、アニメ体験してみてはいかがでしょうか、お勧めです!

 

 

 

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映画 ヤングガン  エミリオ・エステベス 主演        悪 くないけれど残念な映画

 

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エミリオ・エステべス、キーファ―・サザーランド、チャーリー・シーン…と聞いてもピンとくる人は少ないと思う、辛うじて、アメリカのTVドラマ「24-twenty four-」で主役のキーファー・サザーランドの名前に聞き覚えがある、という人がいるかもしれない。エミリオ・エステベスも、現在58歳ぐらいになっていると思う、が、彼は、若き日にはトム・クルーズと共に、青春映画「アウトサイダー」に出演し、トム・クルーズとは親交が深いといわれている。

 

また、エミリオ・エステベス、この映画の主役である彼は、「地獄の黙示録」の主演、俳優マーティン・シーンを父に持ち、弟に、俳優チャーリー・シーンがいるという、俳優一家の一員でもある。俳優一家の一員、というのも、別段珍しくもなく、ハリウッドでは、古いが、父、ヘンリー・フォンダ、息子、ピーター・フォンダ、娘、ジェーン・フォンダという俳優一家や、カーク・ダグラスマイケル・ダグラスという、父と子の有名スターもいたし、日本だって、高嶋一家という俳優一家はご存じの通り、まだまだ、あげればきりがない・・・・。 エミリオ・エステベス、彼は、現在、俳優業よりも監督業に精を出しているらしい。

 

 

 

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この映画は西部劇であり、アメリカの伝説のアウトロービリー・ザ・キッドとその仲間の物語であり、当時のハリウッドで活躍していた、若手俳優を集めて製作された。この映画の魅力、まずは、やはり、エミリオ・エステベス演じるビリー・ザ・キッドか、実在の人物をもとにした物語であるので、ビリーは遠慮なく、銃をぶっぱなし、人を殺していく、西部劇とはいえ、ここらへんのビリー、ちょっと狂気じみている、逮捕せずに撃ち殺してしまう、臨時保安官なのにね。

 

ビリー以外の、ビリーの仲間たちも悪くない、特に、キーファー・サザーランド演じるドク、ルー・ダイアモンド・フィリップス演じる、チャベス、ケイシー・シーマッコ演じる、チャーリー、いいと思う。いろいろなエピソードを挟みつつ、映画は最後の見せ場、ビリー・ザ・キッドとその仲間と敵対勢力との銃撃戦となる、この銃撃戦も迫力。

 

「レポマン」であるとか、「張り込み」「フリージャック」「飛べないアヒル」と、まだまだあるが、かつては、そんな映画で活躍していたエミリオ・エステベスデミ・ムーアと婚約していたこともあったり、つい最近でも「パブリック図書館の奇跡」という映画を監督、また、出演したり、と頑張っている、この映画は残念ながら、筆者は未見ですが。

 

 

 

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最初にも書いたが、今、エミリオ・エステベスと聞いても、きっと、すぐに、誰だか、どんな俳優だったか、わかる人ってそう多くないと思う、が、かつてはよく活躍していた、もっとも、筆者も「ヤングガン」以外の彼の主演作を思い出すのは大変だった、当時はエミリオ・エステベス、ファンだったのに。

 

肝心の、「ヤングガン」のほうは、昔は繰り返し、何度も何度も見ていたのだが、今見ると、もちろん悪くはないのだが、最後の銃撃戦は別として、若干パンチに欠けるところもなくはなし、冗漫なシーンもなくはなし、以前と同じくらいの魅力に満ちていたかというと、そうでもなくはなし、ということで、悪くないけれど残念な映画、かな。

 

まあ、エミリオ・エステベスを思い出してもらう回でした。

 

 

 

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映画 男たちの挽歌  A Better Tomorrow     ジョン・ウー監督  :悪くないけれど残念な映画

 

男たちの挽歌(字幕版)

 

”挽歌“ というのは、辞書曰く「①中国で、葬送の柩車を挽く者がうたった歌。②死者を哀悼する詩歌」となる、なので、この映画はギャング映画らしいという予備知識があれば、どうやら、ギャングの間で殺し合いが起こって、死人が大勢出るような映画かもしれない、と、想像するに難くない。そして、想像するとおり、映画「男たちの挽歌」はギャング映画で、銃撃戦で死人の多く出る映画なのである。

 

主人公二人、マークとホーは、腕利きの ’ベテラン‘ のギャングである、偽札や麻薬の密売、といった裏稼業で稼いでいる、冒頭、この二人はまるで子供のように二人でじゃれあうシーンがある、みていると、ギャングらしさに欠けるじゃないか、と思うかもしれないが、きっと監督は二人が、まるで兄弟のように、それほど仲の良い親友である、とまずは冒頭で見せたかったのかもしれない。その二人のギャングの内の片割れ、ホーには、警察官を目指す弟、ケンがいて、こちらは実の弟、やはり、冒頭で、小さい子供のように仲良くふざけあう、兄弟の仲の良さを観客にみせつける目的か。

 

が、この映画で、幸せそうに楽しげなシーンはこの冒頭だけであり、仲間のギャングの裏切りによって、二人の仲良しのホーとマークは、この後転落の一途をたどる、さらに、実の兄弟ケンとの仲も決裂し、ギャングの兄ホーは警察官の弟から、ひどく憎まれ、嫌われ、これが割と最後まで尾を引く。この映画は、ギャング映画なので、すさまじい銃撃戦、手に汗握るアクションが中心に据えられているだろうと、思っていると、期待を裏切られる、この映画はギャング映画ではあるけれども、中心になるストーリーは、ギャングから足を洗った男、マークの更生物語であり、堅気として何とかやっていこうと頑張るのだが、現実は厳しい、という、男の悲劇の物語でもある。

 

監督は、トム・クルーズ主演「ミッションインポッシブル2」、ニコラス・ケイジ主演「フェイス/ オフ」、トニー・レオン金城武出演の「レッドクリフ」のジョン・ウー監督であり、この映画では、筆者が感じるには、かなり激しく、かつ、 “残酷” な銃撃戦を見せてくれる、ここら辺は、北野武監督の映画で見られる、人の殺し方、というか、銃撃戦を思い出させる。又は、クエンティン・タランティーノ監督の「レザボアドッグス」の暴力シーンを思い出させるのかもしれない。ハリウッドへ進出する前の映画で、まだ洗練され切っていない、ベタなところも無きにしも非ず、そんなところが、残念。暴力シーンだけはスクリーンから ”痛さ“ が伝わってくる、そんな映画。

 

 

ミッション:インポッシブル 2 (吹替版)

 

また、キットを演じる、若き日のレスリー・チャンが執念深く兄を追うギャングの弟で警察官を演じる、後に「さらば、わが愛/覇王別姫」で京劇の俳優を演じたり、「ブエノスアイレス」でトニー・レオンと同性愛の男性を演じたりと、香港のみならず、世界の大スターになっていくのだが、映画「男たちの挽歌」では、まだ子供っぽさを残しながらも、アクションあり、血だらけになりながら、兄を許せず、悪を憎む警察官を大熱演、筆者には「さらば、わが愛/覇王別姫」や「ブエノスアイレス」と同じレスリー・チャンには見えなかった。

 

 

さらば、わが愛 覇王別姫(字幕版)

 

柴田恭兵舘ひろし主演の「あぶない刑事」というTVドラマがある、柴田恭兵演じる ’ユウジ‘ と舘ひろし演じる ’タカ‘ の二人の刑事は、ドラマの中で、軽快なやり取り、ちょっといい加減なやり取り、スタイリッシュなやり取り、子供っぽいやり取り、と様々な、会話を繰り広げてファンを魅せた、二人のあの軽快な会話やシーンは「あぶない刑事」の大きな魅力であった。映画「男たちの挽歌」の冒頭のシーンで、主人公のギャング二人が、サングラスをして黒のロングコートに身を包み、はしゃぎまわっている、特にマークのはしゃぎ方、格好の付け方、また、無鉄砲さに、「あぶない刑事」のタカとユウジを思い出した。かたやギャング、かたや刑事、と悪と正義と真逆の役どころではあるのだが。

 

争奪

 

かつて、はぶりの良かった、二人のギャングの転落の物語、転落の仕方があまりにも激しい、後はまさに彼らの ”挽歌“ を聞くだけか、と思わせる、英語のタイトルは ”A Better Tomorrow“ 、訳してみると ”よりよき明日へ“ とでも訳せようか、堅気になろうとしたモーのためのタイトルか、英語のタイトルのほうが、若干、希望と優しさが感じられる。

 

いろいろ、いいところもある大ヒットした映画なのだが、今見ると、やはり、多少、”時の経過” という洗礼に耐えられなかったか、という感想を否めない、というわけで、悪くないけれど、残念な映画、としようと思う。

 

 

 

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