Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

映画 素晴らしき哉、人生!   ジェームズ・スチュワート主演/   フランク・キャプラ 監督

素晴らしき哉、人生!(字幕版)

 

英国の作家、チャールズ・ディケンズの小説に「クリスマス・キャロル」というのがあって、けちで意地悪なスクルージおじいさんが、”クリスマスの奇跡“ によって、心優しいお爺さんへと変貌していく物語がある、もちろん、映画になったり、ミュージカルになったりと、人気のクリスマスシーズンの物語である、また、「34丁目の奇跡」という映画もあって、これはタイトル通りに ”クリスマスの奇跡“ のお話であろう、残念ながら筆者はまだ未見ですが、そして、この映画「素晴らしき哉、人生!」も、同じく ”クリスマスの奇跡“ の物語である。

 

亡霊と天使という違いはあるけれど、映画「素晴らしき哉、人生!」での奇跡の起こり方は 「クリスマス・キャロル」に近いように思われる、かように、欧米諸国では、クリスマスにはハッピーな不思議な魔法がかけられ ”奇跡“ が起こると、昔から、皆、考えるのが好きだったようである。

 

クリスマス・キャロル (新潮文庫)

 

 

クリスマスの ”奇跡“ の物語である、映画の冒頭から ”神様“ の声が聞こえてきて、天使が登場するとわかる、もしかしたら、子供向けのファンタジーの映画ではなかろうか、と観ているほうもつい思う、ストーリーも子供仕様だったら、参るなあ、とか…しかし、ストーリーが進行するにつれて、そんな杞憂も吹っ飛び、物語はなかなかシビアに、面白く、人生の皮肉のようなものを織り込みながら、進んでいく、ジェイムズ・スチュアート演じるジョージ・ベイリーの人生の物語は面白い。

 

そんな主人公、ジョージ・ベイリーが人生最大の苦境に立たされる、絶望に突き落とされたベイリーに ”クリスマスの奇跡“ が起こるところが、この映画のクライマックス、となる。天使の登場の仕方も、まあ、ユニークであった。天使の力による ”クリスマスの奇跡“、この奇跡が、ファンタージー調にならず、子供仕様にならず、うまく、大人仕様にまとめ上げたところ、観ていてホッとした、フランク・キャプラ監督、腕の見せ所。キャプラ監督の ”クリスマスの奇跡“ はよかった、大人でも十分に鑑賞に堪えうる ”奇跡“ であた、結局、いい話。

 

映画のラストでは、天使が持っていたマーク・トゥエイン著「トム・ソーヤ―の冒険」の物語が、ベイリーのもとに残される、これは映画の流れとは全く関係のない、監督の仕掛けであるが、実に、巧みな仕掛けである、と筆者は考えた。何が一体、仕掛けなのか、と問われるならば、天使の持っていた本が “マーク・トゥエイン” 著の小説であること、それも、アメリカ人なら、きっと、子供から大人まで誰もが知っていると思われる「トム・ソーヤ―の冒険」であることか。

 

 

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

 

 

マーク・トゥエインは ”tall tale (ほら話)“ とその手法を自身の作品に巧みに取り入れて、数々の名作を生みだした作家である、そのマーク・トゥエインの著作、それもあまりにも有名な著作が、天使からベイリーに贈られた”奇跡“ と合わせてもう一つのクリスマス・プレゼントであった。これの意味するところは何か? 一目瞭然ではないのか、フランク・キャプラ監督も、マーク・トゥエインと同じく ”tall tale” を巧みに自身の映画に取り入れて、みごと、”クリスマスの奇跡“ の物語を作り上げた…‥と筆者は思う。

 

素晴らしき哉、人生!」、大人のファンタジーと言えるのではないか、フランク・キャプラ監督の ”tall tale" に耳ならぬ ”目“ を傾けて、クリスマスには幸せな気分に浸ってみるのも悪くない、そんな、クリスマスには相応しい、本当に、いい映画、でした。

 

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