Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

映画 勝利への脱出   シルベスター・スタローン 主演/    ジョン・ヒューストン 監督

勝利への脱出 (字幕版)

 

 

”脱走“ を扱った映画は数あれど、集団での脱走と聞いてすぐに思い浮かぶのは、往年の名作、映画「大脱走」であり、この映画には数々の有名スターが出演しているのだが、一番に思い出して、印象に残っているのは、スティーブ・マックイーン演じるアメリカの航空兵ヒルツであり、単独行動で脱走を試みるさまは、この映画「勝利へ脱出」のシルベスター・スタローン演じるアメリカ軍大尉のロベルト・ハッチを思い出させる、いや、逆か、ロベルト・ハッチがヒルツを手本にしたという方が当たっているか。

 

この映画の場合は ”脱走“ がテーマだが、この映画に思い起こされるスポーツ映画には、こちらはクリント・イーストウッド監督、アパルトヘイトがテーマの映画「インビクタス/負けざる者たち」とブラド・ピット主演、弱小チームを強豪チームに作り替えていく映画「マネー・ボール」、と、それぞれ全く違ったテーマ、背景の映画なのだが、スポーツを中心として、弱小チームが次第に強くなって、最後に、大きな感動を与える、というストーリー展開に、スポーツの持つ底知れに力を感じ、サッカー、ラグビー、野球という異なるスポーツではあるけれど、スポーツって侮れぬ、人間の心をこうもわしづかみにするものなのか、と改めて思う次第。

 

映画に話を戻すと、この映画で重要な役割を果たすスポーツはサッカーであり、映画には現役のサッカー選手や往年のスター選手が多数出演して、話題を呼んだという、あいにくと、サッカーに疎い筆者は、サッカーファンと違って、だれがどの選手なのかはトンとわからなかった、ルイスという選手が見事なオーバーヘッドキックで得点を決めるシーンでは、そのキックのシーンが何度も繰り返しスローモーションで映し出されて、さすがに、スゴイキックだ、と、サッカー素人の筆者も感心していたのだが、後から、その選手がサッカーの神様と言われるペレであった、と知った、この映画に出演している有名サッカー選手たちを探して楽しむ、という楽しみ方は残念ながら筆者にはできなかった、もったいなかったかもしれない。

 

ドイツ軍と連合軍の捕虜のサッカーチームによる親善試合の展開は、実際にあった史実をもとにしているようだが、その裏で進められた脱走計画は映画のためのフィクションであるのか、ロッカールームに抜け道が予定通り作られたときの選手たちの選択、思わず、それはあり得ないよ、と愉快になり、スポーツってそこまで選手たちを熱中させられるものなのか、と、ジョン・ヒューストン監督のサッカーへの思い入れを感じた。

 

 

ランボー (字幕版)

 

 

が、最後のペナルティーキックの場面、ドイツチームのサッカー選手と、シルベスター・スタローン演じるゴールキーパーとの対決なのだが、せっかく主役のスタローンの見せ場、なんだか、あまりにもあっさり終わってしまって、拍子抜けした、もう少し、撮りようなかったのか、と、思わずにはいられなかった。ドイツ選手のキックも迫力なかったし、もっと稲妻みたいなキックさせてほしかった、そして、スタローンは、ここは、ランボーみたいな超人的なゴールキーパーとして‥‥どうかしら。

 

それで、結局 ”脱走“ のほうはどうなったのか、と思いながら、ラストを迎える、このラストは好きだ、いいと思う、フィクションなので史実とは違うらしいが、筆者はこのラストとってもいいと思う、ロッカールームでの選手たちの選択は間違っていなかったな、と思わせてくれる。ラストを見るまでは、スタローンのスタンド脱走、これがないとストーリー展開しないのだが、そしてまた、先に書いた、スタローンの最大の見せ場の描かれ方、ちょっと、なんだか、しっくりこない、いかがなものかと感じ、これは、”悪くないけれど残念な映画“ かなあ、と思っていたのだが、ラストシーンが気に入った、なので、良しとしよう、と、思いました!

 

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