イギリスに、モンティ・パイソンというコメディ集団がいて、イギリスのBBCで、“Monty Python's Flying Circus” という番組を昔放送していて、日本でも、テレビ東京で放映され、デビューしたばかりの頃のタモリが、番組中でイグアナの物まねをやっていたりした、そんなTV番組があった。そのモンティ・パイソンのメンバーは、エリック・アイドル、ジョン・クリーズ、マイケル・ぺリン、テリー・ジョーンズ、グラハム・チャップマン、テリー・ギリアムの6人で、テリー・ギリアムは番組のアニメを担当していたが、たまに、コントにも顔を出すときがあった。
モンティ・パイソンの時とは全く違ったトーンで、そのメンバーの一人、鬼才テリー・ギリアム監督が撮影した作品が「12モンキーズ」であり、タイムトラベルしながら、わずかな生き残りの人間を地下生活へと追いやった、殺人ウィルスの元凶を発見して、未来の人類を救うというミッションを帯びている未来人ジェームズ・コールを「ダイ・ハード」シリーズで、”なかなか死なない“ 強靭なヒーローを演じたブルース・ウィリスが演じ、ギリアム監督とのタッグで、この映画「12モンキーズ」を異色な映画にしている。
観ている観客は、映画の最初から最後までこのタイトルにもなっている “12モンキーズ” に振り回されながら、ラストを迎えることとなる。ラストは、モンティ・パイソンらしいブラックであるが、決して、ブラック・ユーモアにはならず、ここらへんはコメディアンのテリー・ギリアムとは違う、と魅せるところであるか、同監督の「未来世紀ブラジル」も、暗いエンディングだったと記憶する。
2014年にパイソンズの ”復活ライブ“ がロンドンで行われたが、その時もテリー・ギリアム健在で、世界的大物監督(!?)となったテリー・ギリアムも、あのようなコントするのか、なんか違う、スゴイ、と思わせてくれた、もっとも、テリー・ギリアムのみならずパイソンズもメンバーは亡きグラハム・チャップマンも含めて、全員、復活ライブでは、文字通り “飛んで!” いた、一番驚いたのは、あの、マイケル・ペリンが素っ裸で舞台の端から端まで駆け抜けたのを見た時か、パイソンズ、健在、パワーは少しも衰えていず、と、感動した。
そんな風に、映画監督とその作品、コメディアンとその作品のギャップが大きすぎるところも、テリー・ギリアムと彼の作る映画が人を惹きつけるゆえんであるのか、と感じる。そんなパイソンズのメンバーのテリー・ギリアムが作った映画である、映画のあちらこちらに、いたずらというかトリックというか、仕掛けのある映画、注意深くよく見ていないといけないかな。
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ブラッド・ピットが共演しているが、映画の前半でジェフリー・コインズという男のクレージーさを熱演してくれる、そのおかげであろうか、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞している、このブラッド・ピットの演技もなかなか、かも。
映画「12モンキーズ」、殺人ウィルスによって人類がほぼ絶滅してしまうという設定は、まさに、今現在世界を襲っているコロナウィルスを連想させ、イメージはダブり、戦慄を覚えたりもする‥‥コロナウィルスがいつ殺人ウィルスに変貌しないとも限らないな…なんて、想像してしまうと。また、アルベール・カミュの小説「ペスト」には、コロナウィルスによって陥っている現在の世界と実によく似た、ペストで苦しむ世界が描かれている、こちらも、あまりの類似に戦慄を覚えるような小説である。
コロナで苦しむ今の世界に身を置きつつ、映画「12モンキーズ」の監督、テリー・ギリアムは何を思うか、聞いてみたい気もする。
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