この映画ができてから45周年記念ということでLIFE誌のJAWS特集号がでた、表紙を飾るのはお馴染みの、水泳している女性を巨大なサメが海の中から狙う図、この映画、冒頭のシーンがどれだけ不気味で怖かったことか、表紙の図とは違って、映画冒頭のシーンでは巨大ザメは姿を見せない、だから見ているものには海の底から何が女性に接近しているのかはわからず、ただ、ただ、不気味な例のお馴染みの音楽が響くだけである、スピルバーグ監督は「激突」でもそうであったが、人を恐怖に陥れる術を心得ている監督である。
日本では、海水浴をしていてサメに襲われる、というニュースは少ない、ほとんどないといってよい、、私たちが、サメ、といえば中華料理でフカヒレのスープは美味しいだの、海のトリトンが乗っていたのはサメではなくてイルカだよ、とか、水族館の巨大ザメならぬ、巨大水槽を優雅に泳いでいるサメを観て、サメってすごいねー、などとのん気につぶやいていたりとか、多くの日本人にとって、サメは恐ろしい海のハンターではあるが、サメの実際の恐怖を身をもって味わった、という人の数はそれほど多くないのではないかと思う。
映画「ジョーズ」はそんな私たちに、人間を襲って、人間を当然のように食らう、巨大人食いザメの恐怖を味合わせてくれる。映画の冒頭で、サメがさんざん海水浴場を荒らして、人間を食らった後、人食いザメを退治せねば、ということになって、三人の男たちが船でサメの住む大海へと乗り出すことになる。
ロバート・ショウ演じるクイント“船長”はサメに執着している、サメ狩りのプロフェッショナルである、なので、同船している、ロイ・シェイダー演じる、ブロディ所長、彼は、もちろん、サメなどに慣れてはいず、当然のことながら、サメを恐れるのであるが、所長としての責任感から、サメ狩りの船に乗船する、この責任感の強さは、なかなかいいと思う、と、リチャード・ドレイファス演じる海洋学者フーパーを見下し、バカにしているところがある。才と技に走ったクイント船長を待つ運命は映画を観てほしい、映画を観ているものとしては、サメには素人、普通に人食いザメを怖がるが、責任感強い、ブロディ所長に最も親近感を覚える。
この映画は、人食いザメが海水浴場を荒らしまわる前半と、サメ狩りに3人の男たちが海にでていく後半とに分かれるのだが、どちらもサメの恐怖を観ている観客に味合わせてるれる点では秀逸であるのだが、筆者としては先にも触れた「激突」と同じ、前者の人食いザメが暴れまわる海岸シーンでの恐怖に軍配を上げたいと思う。つまり ”顔の見えない恐怖“ とでもいおうか。はっきりとわからない、具体的姿の見えない敵に襲われる時、人間はパニックとなり、身の毛もよだつような恐怖に襲われるのではないか。「激突」ではとうとう最後まで、敵の正体はわからずじまいだった、「警部マクロード」ではさっそうと馬にまたがり、雄姿を見せていたデニス・ウィーバーも「激突」では、死に物狂いで逃げるのみであった。
スピルバーグ監督は ”恐怖の作り方“ を知っていた、監督の作り出した ”恐怖“ は、45年後でも色あせることもなく、いや、”怖さ“薄れることもなく、堂々、LIFE誌の表紙を飾り、特集号となる、海は青くて広くて美しいだけではない、海に潜む ”怖さ“ にも目を向け、海の ”恐怖“ を味わってみよう、と思ったならば、「ジョーズ」はおススメの映画、まだ、未見の方は、是非どうぞ!
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