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ハートブレイク・リッジ Heartbreak Ridge     クリント・イーストウッド監督・主演

ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(字幕版)クリント・イーストウッド監督、主演の戦争映画。クリント・イーストウッド海兵隊の兵士を訓練する変わり者の鬼軍曹の役、海兵隊の面々はどちらかというと兵士としては落ちこぼれ、軍曹が赴任してきた当初は、軍曹のめちゃくちゃ、と思われるやり方に皆反発していたのだが、このめちゃくちゃな訓練を通して、次第に軍曹と小隊の兵士たちが心を通わせていく、という、実は割とよくある話だ。

 

この割とよくある話を、個性的な小隊の兵士を登場させる、鬼軍曹の鬼の部分と、人間味ある部分をうまく描き分ける、元妻との関係をエピソードとして入れる、軍曹と上官との軋轢を描く、その他にも、魅力的な脇役をそろえて、うまく味付けした、よくある話ながら、時に新鮮さも感じ、又、時に冗漫な展開もなくはないが、そこを持ちこたえて、最後まで見せてくれる、さすが、クリント・イーストウッド監督の腕の見せ所、といったところか。

 

イーストウッド扮する鬼軍曹が言う、「厳しく訓練しないと、こいつら、戦場に行ったらみんな死んでしまいますよ」、と。いたずらに、むちゃな訓練しているわけではない、めちゃくちゃに見える訓練をするには、しっかとした軍曹の信念と、自分の小隊の兵士たちの命のことを思う、軍曹の心があった。映画の中では、別にどうということのないシーンで、さりげなく言われるセリフであるが、この一言で私は一層、ぐっとこの映画に引き込まれ、多少の冗漫さも許せて最後まで見終えることが出来たと思う。

 

この鬼軍曹率いる海兵隊員たちは映画の後半で実際の戦争に駆り出され、実戦を経験することとなる、訓練のシーンだけで終わらさず、実戦のシーンもちゃんと用意しておくという、心憎いイーストウッド監督の映画づくりとその手腕に再びうなって、この映画もお気に入りとなりました、古い映画だよ、クリント・イーストウッドは超若いしね、古い映画だけれど、いい映画でした、おすすめです。

 

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