ジェフ・ブリッジスという役者がいる。割と二枚目であり、兄弟で同じく俳優のボー・ブリッジスとピアノ弾きを演じ、さらにミッシェル・ファイファーとも共演した映画「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」が印象深い。その、割と二枚目だと思っていたジェフ・ブリッジスがそのイメージを見事に破壊して、アメリカはロサンゼルス一の、なんというか、“ものぐさな男” を演じる。
このものぐさ男、ジェフリー・リボウスキことデュードと、彼の仲間、ベトナム戦争退役軍人ウォルター、ちょっと気の弱そうなドニー、ドニーは何か発言しようとするたびに、ウォルターに黙ってろ、とか、うるさい、と言われて何も言えないのだが、とにかくも、デュード、ウォルター、ドニーのこの三人で大好きなボーリングに興じながら、一つの事件に巻き込まれていく。全編通して、笑わせてくれる、ジョエル・コーエン監督、快心のコメディと言えるのでは。
映画のオープニングから衝撃的。あのピアノ弾きの二枚目がこんな目に合うのか! と、驚愕しながら映画を観始める筆者。映画が進行するにつれて、その傍若無人ぶりというか、気ままぶりとか、あくまでもマイペースに、その日を暮らしてゆくデュードとその仲間たちの世界、笑いとともに引き込まれてゆく。事の発端は、デュードの家にあった、一枚の敷物なのであるが。
しかし、この敷物から始まる一連の事件の結末には、残念ながら、ちょっとした、いや、デュード等にとっては重大な、ある悲劇が起こる。また、悲劇と同時に、ちょっとした、いや、やはり、デュードにとっては重大な或る事も起きる。こんなふうに、人間の人生において神様は、いいことと悪いことのバランスを取りながら、優しく、時に、辛辣に、世間の割と底辺のほうで暮らしている庶民にも、目をかけ心配ってくれているのか、と思わせる。
先に、ジェフ・ブリッジスの映画「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」が印象深いと書いたが、実際、筆者が初めてジェフ・ブリッジスに出会ったのは、もっと、古い映画、若き日のクリント・イーストウッドと共演した映画「サンダーボルト」で、そこにはさらに、さらに若い20代のジェフ・ブリッジスがいた。この映画ではイーストウッドのインパクトばかりが強く感じられたのであるが、後年、映画「恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」を見た時に、この時のサンダーボルトに付きまとう、お調子者のコソ泥、ライトフットを演じたジェフ・ブリッジスが記憶によみがえったのであった。
映画「ビッグ・リボウスキ」は、自由に、ゆるく、好きなことをやりながら、その日を暮らしている、デュードと仲間たちの物語であり、肩ひじ張らずに生きている彼らが共感を呼んだのか、公開当初はともかく、その後、一部熱狂的なファンを獲得しているという、コロナ禍の今はわからないが、それ以前は毎年、それらファンによるボーリング大会が行われていて、参加者は映画の中の好きな人物に、めいめい扮していたらしい。どうも、映画「スター・ウォーズ」の熱狂的ファンが、コスチュームに身を包んで、参集する図を思いうかべる。
映画「ビッグ・リボウスキ」、登場人物は皆ユニーク、ひとつ、のん気に大笑いしてみたいと思ったならば、ぜひ一度、見てみるのも悪くないかも。とにかく、筆者は笑いました。
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