Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

裏窓  ジェイムス・スチュワート グレース・ケリー 主演 /       アルフレッド・ヒッチコック 監督

裏窓 (字幕版)

 

アルフレッド・ヒッチコック監督再びで、今回は「裏窓」、足を骨折して動けない主人公、ジェームス・スチュワートが窓から向かいの家をカメラの望遠レンズでのぞき見して事件に巻き込まれてゆくという話、この映画のユニークなところは主人公は動かない、というか、動けない、映画の初めから終わりまでずっと一つ場所に座ったままで物語は進行してゆく、ヒッチコックも考えたなあ。

 

なので、主人公以外の周りの人間が動く、まず、動けない主人公の手となり足となり活躍するのが恋人役のグレース・ケリー、主人公を様々な面で助けてくれるのだが、主人公のカメラマンは案外、恋人にあぶないことをさせる、が、それがないと映画のストーリーも展開していかないので、いたしかたないところもある、こんなシーンはハラハラドキドキするところでもある。

 

主人公の何気ない暇つぶしの覗きから、主人公が疑惑を持つにいたるまでの理由を観ている観客をも納得させるように、ロジカルに理由づけていくプロセスも面白い、主人公の言っていることを聞きながら、なるほど、なるほど、とみている観客に思わせてしまうところも、ヒッチコックのうまいところか。

 

が、しかし、観客は納得させられても、映画の中にでてくる刑事は納得しない、やはり、警察ともなると確たる証拠もなしに犯罪を確信するわけにはいかないのは日本も外国も同じ、そこで、どうにも自分では動けない主人公は、先にも述べたように、恋人に頼み込んで危険なことをさせてしまう、という展開になる。

 

人間、暇になると、普段は、又は、忙しくしているときには考えもしないようなことをしてしまう、また、暇で時間があるだけに、そんなことをするチャンスを得てしまう、ということか、主人公の事件への巻き込まれ方が秀逸だと思う、さりげなく日常にありそうなことで、案外怖い設定かも、もっとも、映画自体の展開では明るい雰囲気が漂っていて、この場面で特に観ていて怖さは感じないのだが。やっぱり、ラストかな、怖い場面といえば、暇つぶしで始めた主人公の行為が、ラストの山場へとつながる。

 

よくできた、面白い映画、派手なアクションはない、最初に言ったように主人公はずっと窓際に陣取ってうごけないままだからね、静かに、少しづつ、普段の日常の中からサスペンスが醸し出されていって、観ている観客にスリルと不安と恐怖を感じさせる、また、ほめるけど、さすがヒッチコック

 

そして、最後に主人公には、こんな人の家をのぞき見していた ‘罰’ もちゃんと用意されている、最後は明るく終わるサスペンス、不安と恐怖は終わり、再び明るい日常に戻る、という感じかな、面白いよ!