ポール・ニューマンとロバート・レッドフォード、この二人のコンビはかつてゴールデンコンビだった、この映画「スティング」では、見事に息の合ったところを見せてくれる、この映画のコンビ大成功だ、ポール・ニューマンには「傷だらけの栄光」とか、「ハスラ―」とか、「暴力脱獄」であるとか、テネシー・ウィリアムスの戯曲の映画化「熱いトタン屋根の猫」とか、「動く標的」とか、書き出せばきりがないほど、いい映画がある、一方のロバート・レッドフォードといえば、フィッツ・ジェラルド作の「華麗なるギャッビー」であるとか、野球物語の「ナチュラル」であるとか、若き日のブラッド・ピットと共演の「リバー・ランド・スルー・イット」など、それぞれコンビを組まなくても、シングルで数多くのいい作品を持っている。
今回は、そんな二人がタッグを組んだ第二作目にして大ヒットの映画、ギャングと詐欺師たちが大物も小物(?)も入り乱れて、あちらでもこちらでもだましあい、気づいてみたらこんなことになっていたのか!という痛快な映画、音楽もいい、軽快でテンポよく、以前にはたまに、JRの駅のホームで電車の出発を知らせる曲に使われているのを聞いたことがあったが、今はどうなっているのか、それはわからない。
この映画のストーリーと詐欺師たちのだましあいもさることながら、何がいいって、もちろん、主役のふたり、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードがいい、ポール・ニューマンは貫禄のある渋いカッコよさ、ロバート・レッドフォードは初々しいフレッシュなカッコ良さ、この二人を見ているだけでもこの映画は合格といえる。ポール・ニューマン扮する伝説の詐欺師ヘンリー・ゴンドーフはロバート・レッドフォード扮する若き詐欺師ジョニー・フッカーを導き、諭し、育てていく感じ、一方、ジョニーは若いから血気盛んで、ゴンドーフの言うことを無視することもあり、ゴンドーフに助けられることもあり、失敗することもありで、観ているとかわいい、という感じ。
タイトルの「スティング」には、 ”刺す“ という意味や、俗語で ”手の込んだ詐欺“ という意味がある、どちらの意味でもこの映画にぴったりなタイトル、後者の意味ならそのものずばり、前者の意味でもこの映画にぴったりと言える、手の込んだ詐欺で ‘カモ’ をグサリと刺してあり金全部巻き上げて息の根を止める…‥といったところでしょうか、
午後6時台のNHKニュースを見ていると、ニュースの途中で ”私は騙されない“ という以前はオレオレ詐欺に引っかからないように、と呼びかけるコーナーがあった、今でもこのコーナーは続いているようでオレオレ詐欺も最近は進化(?)してきて、こちらもあの手この手、息子を語るという形からずいぶん変形してきている、現実の世界においては詐欺なんてとでもない、引っかからないようにぜひぜひ注意してもらいたいことだが、
こちらは映画、フィクションの話、しかも、詐欺の規模は大きい、カモも大きい、大きいずくしの詐欺の話、結末はいかに? 当然ながら言えるわけはなく、映画を観てほしい、必ず楽しめると保証したい!
ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードには初めてコンビを組んだ映画「明日に向かって撃て!」という映画があって、こちらでは「スティング」とは全くスパイスの違う役どころのふたりが見ることのできる西部劇、全編を流れる ”雨に歌えば“ という曲もいい、「スティング」でこの二人のコンビに魅了されたならば、「明日に向かって撃て!」のほうもぜひ見てほしい、「スティング」とはまた、一味も二味も違う ’ポール&ロバート‘のコンビに出会うことができる、こちらもおすすめの映画、ぜひどうぞ!