「ロミオとジュリエット」に引き続き、ディカプリオ二作目の紹介、「仮面の男」、ディカプリオはまさに、タイトルの‘仮面の男’とフランス国王ルイ14世の二役をこなし、ディカプリオ祭りか、と思えた映画だった、が、実際見てみると、仮面の男は物語の後半仮面を脱ぐことになるのだが、それまでは、当然のごとく仮面をかぶせられているために、顔は見えない、誰だかわからない、よって、レオナルド・ディカプリオの顔も拝むことができない、一方、国王ルイ14世のほうは、わがまま、横暴、傲慢などなど、民のことなどこれっぽっちも頭にない、どうにも手の付けられない”悪“王様であり、ディカプリオは美しいが、どうも、パッとしない。
どう考えてもこの映画のメインキャストはディカプリオのはずなのだが、物語はダルタニアンと元三銃士で、すでに三銃士引退している、アラミス、アトス、ポルトスの4人が、物語の流れを引っ張っているのであり、タイトルは「仮面の男」ではあるが、中年になったダルタニアンと老いた三銃士の活躍のほうが圧倒的に映画を面白くしている、
物語のほうは、我儘、横暴なルイ14世の統治に愛想をつかした三銃士達が、ルイ14世を何とかしてしまおう、という話、ルイ14世が、飢えている民に食料を配給する際に、腐っている食料を民に与えるくだりは、フランス王妃マリー・アントワネットが食べるパンにも事欠いて飢えている民衆に、”パンがないならケーキを食べればいいじゃない“と言ったエピソードを思い出させる、どちらも民衆の心がわからず、つかめず、マリー・アントワネットは断頭台へと送られる、映画のルイ14世は…‥どうなるか、それは映画を観てほしい。
一方、”仮面の男“の方はどうかというと、仮面をつけたまま一生牢獄に閉じ込められたままの運命であるところを、或る計画のために仮面を脱ぎ捨てることとなる、映画によると6年間牢獄に閉じ込められていたという、これほどの惨い仕打ちを受けながら、仮面の男は心優しい、いい人、正義の人、である、まあ、そこに、この映画の救いがあるのだが、さらに、この仮面の男には、あっと驚くサプライズの秘密がある、それも、最後まで映画をちゃんと見ないとわからないよ。この秘密のパターンは、イギリスBBCのTVドラマ、「女王ヴィクトリア 愛に生きる」のヴィクトリアの夫、アルバートの秘密と同じで、この秘密のパターンってよくストーリー展開で使われやすいパターンなのかしら、と思ったりする。
三銃士のうちの一人、アトスを演じるのは、ジョン・マルコビッチ、先に紹介した映画「ザ・シークレット・サービス」では、サイコ的に大統領の命を狙う犯人役を怪演していた、ここでは、ま逆の正義の三銃士の一人を演じている、正義の味方も悪くはないけれど、どこかキレていて、得体のしれない、不気味な犯人役のほうが、マルコビッチははまっていて、存在感ありありで目せてくれていたように思える。
そんな正義の味方三銃士も老いて、もう実戦からは完全に引退してしまったように見せておいて、最後の最後で、やっぱり、カッコよく決めてくれる、ダルタニアンもね。と
はいえ、今回は、ディカプリオにカッコ良さはみられなかった、仮面の男はいい人なんだけれどね、三銃士達も最後は決めてくれたが、まだまだ、カッコ良さが足りなかった、というわけで、当時、人気絶頂のレオナルド・ディカプリオが主役を務める「仮面の男」ではあるが、悪くないけれど残念な映画、としたい。