Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

ディーバ  DIVA    ジャン=ジャック ベネックス 監督

ディーバ -ニューマスター版- [DVD]オベラ歌手、シンシア・ホーキンスの歌う「ラ・ワレ―」の美しい曲から幕が開く、郵便屋さんジュールととシンシア・ホーキンスの恋の物語であると同時に、事件に巻き込まれたジュールの冒険の物語。

この映画、何がよいって、シンシア・ホーキンスの歌う「ラ・ワレ―」の美しい曲と、ひたすらひたむきな郵便屋さんと郵便屋さんのひたむきさに答えるシンシア・ホーキンス。映画途中、傘をさして雨降る街中を二人で歩くシーンは実に印象的、そのシーンで流れる静かな音楽も、いつまでも耳に残る。

 

郵便屋さんは大のオペラファン、オペラ歌手のシンシア・ホーキンスはレコードをださないことで有名、そんなシンシアのコンサートで郵便屋さんはシンシアの歌を隠し録している、この隠し録したテープが発端となって事件が展開する。

 

今回紹介する映画も、前回の「グラン・ブルー」に続いて、フランス映画、フランス映画にも ”いい映画“ はゴロゴロしているよ。タイトルの「ディーバ」は ”歌姫“ という意味で、ヒロインの歌姫シンシアのこと、この映画は本来、郵便屋さんが巻き込まれた事件を中心に展開していく、それがまた、面白い。郵便屋さんとシンシアの恋は実はこの映画のメインストーリーではないのだが、この二人の恋の行方がこの映画にいいスパイスをきかせて、映画を魅力的にしている。それにこの二人を結ぶ「ラ・ワレ―」の曲は映画の最初と最後にしっかりと流れて、見ている私たちを虜にしてくれる。

 

この映画では冒頭からオペラ「ラ・ワレ―」の中で歌われる曲を聞かされる、が、オペラと聞いてひるんではいけない。この映画を初めて見た時、「ラ・ワレ―」もこの曲のことも知らなかった、が、映画を見終わるとこの曲が頭から離れない、先に書いた、雨の中を二人で歩くときに流れる曲同様にいつまでも耳に残る。耳に残るのも当然だった、後で知ったのだが、この曲はこのオペラの中でも最も美しいアリアと言われているそうだ。

オペラ歌手の声量はすごい、その後、いくつか実際のオペラを鑑賞する機会があった、どのオペラでも歌手の圧倒的な声に強く感動を覚える、まずは映画の始まりでシンシア・ホーキンスの歌声に圧倒されてみてはいかが、それもまた一つこの映画の楽しみ方。

マリア・カラス 伝説の東京コンサート 1974 [Blu-ray]蛇足だが、「ラ・ワレ―」のワレ―っていうのは、このオペラのヒロインの名前だ、このオペラ悲劇なんだ、そして映画の冒頭で歌われる歌は ’さよなら故郷の家よ‘ という曲です。

 

 

郵便屋さんとシンシア・ホーキンスの他にもこの映画には魅力的な登場人物がいる、ゴロディッシュという謎の人物とその恋人とか、郵便屋さんを助けてくれる、どう助けてくれるのか? それは、毎度のことながら映画を見てほしい、スタイリッシュで素敵な映画だ、古い映画だけれどね、1981年の映画、でも “いい” 映画、ラストシーンはまた、いいよ、本当に ”余韻“ がいつまでも…‥ぜひ、感じてね。