古いアメリカのデュオだが、サイモン&ガーファンクルという二人組のグループがいた、数々のヒット曲をとばし、「サウンド・オブ・サイレンス」であるとか、「明日に架ける橋」であるとか、「コンドルは飛んで行く」など、ご存じの方も多いいと思う、この映画はこのサイモン&ガンファークルのヒット曲「サウンド・オブ・サイレンス」をはじめ彼らの数々のヒット曲が映画全編に流れる映画だ、ただ、「サウンド・オブ・サイレンス」という曲はどちらかというと、曲のトーンが暗い曲であり、この映画全体を包むトーンも、明るい映画というよりは、暗いイメージの映画、という印象が強い、明るくハッピーなのはラストだけ、っていう感じ。
主演は若き日の新人俳優、ダスティン・ホフマン、そして彼の演じるベンジャミン君である、彼が大学を卒業したところから映画は始まる、彼の卒業祝いのパーティーのシーン、映画を観た当初、そこで描かれている大人たちが何か滑稽で、ばかばかしく、変にデフォルメされている感じをうけた、今思うと、これは、そのパーティーに出席していたベンジャミン君が、感じていたかもしれない感覚を、見ている観客に感じてもらうための演出だったのかしら、と思ったりする。
このパーティーでベンジャミン君はミセス・ロビンソンという女性と知り合い、、物語は展開し始める、サイモン&ガンファークルの曲にも「ミセス・ロビンソン」という同名のタイトルの曲があり、この曲がロビンソン婦人の映像とともに劇中でも流れる、考えているなあ。ベンジャミン君とロビンソン婦人は映画「ティファニーで朝食を」のポール・バージャックと彼の室内装飾家を思い出させる、ただ、「ティファニーで朝食を」のようには明るくはない、映像なども暗くて、結構、ドロドロ、ネチネチ感が強い、こんな描写も、とうのベンジャミン君の心の奥底、心理状態を表しているのでは、と考える。
が、この映画にも途中から明るい光が差し込んでくる、それは、キャサリン・ロス演じるロビンソン婦人の娘エレーンの登場である、キャサリン・ロスという女優は別段特に好き、という女優でもないのだが、それまでの映画のイメージがあまりにも暗くて、じとじと感があったので、エレーンは新鮮、若い、可愛い、という印象をまず受け、泥沼にはまっているベンジャミン君の救いに彼女はなるのかどうか、というところが後半、この映画の見どころとなり、ラストのクライマックスへとつながる。
この映画の時、ダスティン・ホフマンは新人なのである、ハリウッドデビューしたばかりだ、なのに、彼の演技は、その後、例えば、「真夜中のカーボーイ」や「「クレイマーvs.クレイ―マー」や、「レイン・マン」などで、主演男優賞を獲得していく、演技派俳優としての片鱗を見せつけてくれる。ダスティン・ホフマンという俳優は、デビュー当時から、演技力も才能にも恵まれた俳優であった。
この映画のタイトルは「卒業」という、英語のタイトルも「The Graduate」(卒業生)である、見ているほうは、だれが何から卒業するのか、と当然思う、主人公はベンジャミン君なので、当然、ベンジャミン君が卒業するのだ、大学は卒業した、映画の冒頭でわかる‥‥、まだ、なにかあるのか? それは、映画を観て、見た人がそれぞれ考えてみよう。
最初にも書いたように、この映画で明るくハッピー感があるのはラストだけである、ラストはとてもいい、映画史上に残るとも言っていいラストなのだ、若干、ドロドロする暗い映画なのだが、ダスティン・ホフマンの演技とこのラストシーンと、全編に流れるサイモン&ガンファークルの数々の名曲で、この映画は名作となる、やっぱり何度見てもいい映画だね!
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