推理作家、アガサ・クリスティーは有名だ、では、エルキュール・ポアロや、ミス・マープルといった彼女が生み出した探偵たちはどうだろうか、ポアロはともかくミス・マープルは別に探偵ではなく、推理好き老婦人にすぎないのだが、どこかで聞いたことがある、又は、全然知らないといったところか。本日紹介するのは、その彼女の生み出した名探偵ポワロの活躍する、かつ、クリスティーの傑作のひとつと言える、「オリエント急行殺人事件」、名探偵ポワロの推理も冴えるミステリーだ。
アガサ・クリスティーは大好きな作家の一人だが、「オリエント急行殺人事件」に関しては、まず、映画ありきで原作は映画の後に読んだ、また、「オリエント急行殺人事件」は、2017年にケネス・ブラナー監督・主演でリメイクされた映画もあるが、ここで紹介するのは、それ以前、1974年に作られたシドニー・ルメット監督のオリジナル版の「オリエント急行殺人事件」だ、ケネス・ブラナー監督・主演のリメイク版「オリエント急行の殺人」は、タイトル、ストーリ、原作、は同じだが全く別物の映画と思ってもらいたい。
何故? 何故って、リメイク版では、ケネス・ブラナー扮するポワロはアクションする、走ったり、ジャンプしたり、転げたり! 名探偵ポワロはアクションしません、犯人と追いかけっこなんてもってのほか、”本物”のポワロは ’灰色の脳細胞‘ をフルに使って、時には、部屋から一歩も出ることなく、ソファに悠々座ったまま事件を解決する、といったタイプの探偵だ、なので、ケネス・ブラナー扮する探偵はポワロではない、と言いたい。
さて、1974年のオリジナル版「オリエント急行殺人事件」は、公開された当初から豪華キャストと言われていた、何しろ、イングリット・バーグマン、ショーン・コネリー、リチャード・ウィドマーク、アンソニー・パーキンスなどなど、知る人ぞ知る、これだけでもそうそうたるメンバー、これもこの映画の魅力の一つ。
さらに、映画の中ではオリエント急行列車そのものが存分に撮影され、もちろんセットであることも十分あるが、映像として列車の内部の様子やキャストのみならず、列車の豪華さも堪能することができて、これもこの映画のステキな魅力。
ちろん、事件、ストーリーそれ自体も、そして、あっと驚くその結末も素晴らしい、実によくできた物語だと思う。また、映画を見て、かつ原作を読んだ者としては、映画のほうがもしかしたら視聴者に対してフェアに作っているかな、と思ったり、どのへんが? というのは、映画を見て、原作も読んで、探してみてほしい。
事件の真相は、容疑者を一堂に集め、ポワロが種明かしをするように説明して聞かせるという、オーソドックスな方法で知らされるのだが、そんな古典的なところもある意味いいかも、この映画全編を包んでいる、トラディショナルに落ち着いて厳かな英国風の雰囲気にはぴったり合っていると思う。
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オリエント急行に乗って豪華な旅をしている気分、食堂車でワインやシャンパンを飲みながらほろ酔い気分で考える、犯人はいったい誰なのかしら、今宵はクリスティーとポワロと一緒にそんなステキなミステリーの旅をしてみてはいかがでしょうか。
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