トールキンの原作はとにかく長い、よって、映画も自然長くなった、軽い気持ちでちょっと観よう、というわけ人はいかない映画だと思う、何年も前にNHKのBS放送でお正月に3話連続放送していたけれど、やっぱりお正月みたいに家にいたらやることなくて暇！っていうような時に観るのが一番いい、落ち着いてじゃまされることなく一気に3話いっぺんに観ることができる。
「ロード・オブ・ザ・リング」はトルーキンが生み出したファンタジーの世界、ホビットというトールキンが生み出した、小人というのではないが、ファンタジーの世界に生きる主人公とその仲間、エルフという妖精たちもでてくる、エルフは強い、この物語では、ただ美しく魔法を使う優しい生き物ではない、魔法使いもでてくる、こちらは定番通り、いい魔法使いと悪い魔法使いとがいる、ドワーフもいる、通常dwarfと言えば小人なのだが、物語ではホビットよりも大きくて頑丈な肉体の持ち主たちである、人間もでてくる、ファンタジーの世界の住人たちと一緒に、闇の冥王サウロンを倒すために戦う、人間が魔力を操るファンタジーの世界の住人に勝てるのか、と思うかもしれないが、人間も強い。
主人公のホビット、フロドは幸せに暮らしていた、ひょんなことで悪の魔力を秘めた指輪に出会い、指輪を破壊する旅にでることになる、とはいえ、指輪の悪の力は巨大だ、フロドたちのゆく手には、次から次へと困難が出現する、冥王サウロンは強い、簡単に目的地へと到達できるはずもない、フロドたちが直面する数々の危機、困難が、或る意味、この映画の見せ場となり観客を惹きつける、三話もあるのだ、数々の妖怪、魔物、呪い、恐ろしい仕掛け、が出てくる、裏切りはある、恐怖はある、戦いはもちろんある、が、友情もあり、時には、ユーモアもある、観客を惹きつける数々の要素をふんだんに取り込んだ、壮大なファンタジー、とでも言ったらいいか。
主役をホビッドにしたところがポイントかもしれない、指輪を破壊するために目的地まで運ぶ人物は、人間でもよかったかもしれない、エルフでも、魔法使いでも、人間はともかく、エルフや魔法使いなら魔力という武器でサウロンに立ち向かうことができたかもしれない、が、トールキンは、冥王サウロンvs．魔力を武器に持つ強者 ではなく冥王サウロンvs．ホビット という構図を選んだ。人間よりも小柄、身長は1メートルくらいだ、人間の子供に近い、特に魔力を持っているわけではない、この点は人間と同じ、小柄の種族ということで観ているほうは、力弱さを感じる、半人前感がある、もちろん、フロドを護衛して共に旅する、エルフや人間もいるのだが、いかんせん、ホビットの少年だ、頼りなさを感じざるを得ない、だから、なおいっそう、ハラハラ、ドキドキしながら映画に釣り込まれてしまう。
BBCの「シャーロック」で、ジョン・ワトスン役に、マーティン・フリーマンという役者がいる、あまりにも人気のあるシリーズなのでマーティン・フリーマンと言えば、よく知っている方も多いいのではと思う、彼が「ホビット」という3部作の「ロード・オブ・ザ・リング」の前日譚と言われる映画で主役のホビット役を演じている。筆者は残念ながらこの映画は観ていないが、その予告編など一部の映像で見る限り、「ホビット」のマーティン・フリーマン演じるホビット、ビルボ、若き日のフロドの養父、にはフロドに感じた弱々しさとか頼りなさは感じない、少年ではなく、最初から青年として登場してくるからかな、フロドから受ける印象とはだいぶ違う。
「ロード・オブ・ザ・リング」の登場人物はみな魅力的、フロドの旅の仲間となるホビットもいい、魔法使いガンダルフもいい、エルフの王子レゴラスはステキ、人間アルガロンはカッコいい、待ち受ける危機や戦闘場面は迫力満点であり、目を見張るファンタジーの世界、などなど。
3作共に2時間以上の映画なので、3作一気に見るとなると6時間以上の長丁場になる、が、6時間以上飽きさせない、楽しめる、映画に釘づけ、という、ファンタージ―、ピーター・ジャクソン監督は見せてくれる、ついでに言うと、「ホビット」も彼が監督だ。
長い映画だ、が、いい映画だ、6時間以上という長さにひるまず、観てみよう、トールキンの作り出した世界にどっぷりとひたってみるのも悪くない、しっかりと時間のある時がチャンス、是非、一度どうぞ！
