Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

映画  ジョー・ブラックをよろしく    ブラッド・ピット/  アンソニー・ホプキンス  主演 :        悪くないけれど残念な映画

 

 

ジョー・ブラックをよろしく (字幕版)

 

 

少々ブラックな、大人のファンタジーである、何しろ死神と人間の女性が恋に落ちるというストーリーであり、死神は人間の姿を借りていて、一見したところは人間で、中身が死神であるとはわからない、死神と言っても外側はブラッド・ピットである、甘いマスクに金髪、死神だからと言って、大鉈を振り上げるでもなく、怖さは全くない、逆に、人間界に慣れないたどたどしさが、可愛くもあり、おそらく、そんなところがこの映画を観る筆者を含めたブラッド・ピットファンを喜ばすことになっているのだろう、と思う。

 

死神と人間の恋の物語、そんなファンタジーは勘弁、という方には、劇中のもう一つのあらすじ、アンソニー・ホプキンス演じるところの死神と恋に落ちる娘の父親、資産家であり、かつ、ある会社の社長でもある男の物語もある。。その社長と彼の片腕との会社乗っ取り騒動というストーリーも用意されている。さらに、死神との恋愛物語だけではなく、資産家の社長と娘婿も含めた、彼と娘たち、家族の絆、というか、愛情というか、家族愛を軸にしたストーリーも用意されている、この映画「ジョー・ブラックをよろしく」は、結構、盛りだくさんな映画なのである。

 

盛りだくさんにしたためか、この映画は長い、オリジナル版は3時間近くもあり、”だらだらと長い“ 映画だ、と言われたりしている、確かに長いと感じる、それぞれのストーリーに変な間があるのである、例えば、死神と娘の恋愛ストーリーでは、この死神が徐々に良心、というか、罪悪感のようなものに目覚めていくと同時に、人間の ”愛“ を理解していく段階が描かれるのだが、それが、少々くどい、病院で死神と黒人の患者とが対話する場面などあるが、なくてもいいんじゃないか、と思ったりする、また、恋人同士の最後の別れのシーンも、なにか、不必要な間があり長く感じる。このヘンな ”間“ が、父親と娘たちの関係を描くシーン、部下による会社乗っ取りのシーンについても感じることができる。

 

また、アンソニー・ホプキンス演じる父親、ビル・パリッシュ氏は善人であり、善人過ぎて、何か物足りない、英語には “The good die young (善人は早く死ぬ)” という言葉がある。死神、ジョー・ブラックは人間の世界を学ぶために人間界に現れたのであるが、死神が人間界の案内人としてパリッシュ氏を指名したのも、彼が善人であるというのも理由の一つからかもしれない、もっとも、パリッシュ氏は “young” ではないけれど。パリッシュ氏はもう少し抵抗してもよかったのでないか、死期を回避してくれとか、寿命を延ばしてくれとか、自分の会社を作り上げた剛腕な社長である、死神とも自分の死期について、もっと、丁々発止(?)の交渉をして、交渉に勝ってほしかったと思う、せっかく社長に返り咲いたにもかかわらず、あっさりと死神と一緒にあの世に行ってしまうのはいかがなものか、と思ったりする。

 

結末は、半分ハッピーエンドであった、映画「ジョ・ーブラックをよろしく」は、何しろファンタジーであるのだ、ファンタジーの結末が、暗い悲劇で終わっていいはずはない、しかも、死神はステキに甘いマスクの紳士ではないか、”死“ の非業さよりも、どうしても優しさが伝わってくる。

 

このように、この映画にはいろいろと物申したくなるところが多い、が、ブラッド・ピットのファンである筆者は割と気に入っている、冒頭のカフェの客のシーンも含めて、家族のディナーで長女が誕生パーティーのケーキの試作品を披露したシーンであるとか、会社乗っ取りを画策する部下との対決シーンであるとか‥‥いくつかお気に入りのシーンもある。悪くない映画で、筆者は楽しめたのであるが、書いてきたように、残念なところも多々ある映画だ。死神と人間のロマンスだけではないのだが、サブストーリーがちょっと物足りないのが残念、でも、興味のわいた方は是非どうぞ!