この映画のタイトルを初めて聞いた時、これはいったいどういう意味なのか?と思った人が多かったのだろう、中には ’English Teacher”の略だよ、と言ってふざける人もいたりした、
もちろん、E.T. はEnglish Teacher の略などではなく、この映画のタイトルは ‘The Extra Terrestrial’ といって地球外生物のことであり、宇宙人のことであり、エイリアンのことであった。おそらく、この映画までのエイリアンというと、リドリー・スコット監督の映画「エイリアン」に代表されるような、恐ろしくてグロテスク、得体のしれない人類の敵、といったイメージが強かったのでは、と思う。
が、この映画のエイリアンはそんな今までのエイリアンのイメージを覆した、180度変えた、この映画のエイリアンを ’グロテスク‘ と感じるかどうかは人それぞれではあるが、少なくとも、恐ろしくて人類の敵、というイメージはみごとに破った、だって、この映画のエイリアンは子供たちと一緒に行動して、子供たちと一緒に活躍するのだ、恐ろしい人類の敵では無理な芸当、そう、この映画のエイリアンは、“キュート” なのである、さらに大きさから言っても、ちょっと大きいテディ・ベアといった感じ、実際、映画の中では女の子がエイリアンにコスチュームをつけてしまったシーンもあるし、映画の流れの一つとして、ハロウィンということで、エイリアンもハロウィンの仮装をする、というシーンもある。
先ほどから筆者は、この映画に出てくる宇宙人のことを、ことさら、‘エイリアン と書いているが、若干意図がある、それは、リドリー・スコットの映画「エイリアン」のタイトルと、リドリー・スコットの映画に出てくるエイリアンのイメージを頭の隅においてほしかったからである。なぜって、スピルバークのこの映画、タイトルは「E.T.」であるが、別の言い方をすればこの映画だって、『エイリアン』というタイトル、としてもおかしくない、と感じるから、E.T. ≒ エイリアン。イコール、= でもいいかも。
筆者は勝手に想像する、スピルバーグはリドリ―・スコットの「エイリアン」を意識していたのではないかしら、リドリー・スコットが恐ろしい人類の敵エイリアンを描くのなら、それじゃ、全く正反対の ’エイリアン‘ を描いてみせよう、とライバル意識燃やしていたかも、映画「E.T.」 は 映画「エイリアン」より3年後の公開である。
さらに、この映画にはエイリアンが子供たちとお互いに、お互いの人差し指の先を合わせあうシーンがある、このシーンは、イタリアのヴァチカン、システィーナ礼拝堂の天井に描かれたミケランジェロのフレスコ画「アダムの創造」で、アダムと創造主との指と指とのコンタクトの図をヒントに作られたシーンだという、スピルバーグはこの映画に芸術的要素もちょっぴりと加味したのか、やっぱり、熱いライバル意識?
余談ではあるが、筆者は映画「E.T.」公開後に、イタリア、ヴァチカン、システィーナ礼拝堂を訪れた、天井を見あげて、アダムの指と創造主の指が触れ合わんとするこのフレスコ画を見ながら、スピルバークも同じように、この礼拝堂に立って、天井のアダムと創造主を見上げていたのかしら、と思ったりした。
大きな月をバックにして、少年の自転車が空を飛んでいる、この映画のポスターはファンタスティックだ、このポスターの意味は映画を観ればわかる、是非、見てほしい。スピルバーグは子供たちとエイリアン、宇宙人とのファンタジーをこの映画で描いた、この映画はエイリアンは出てくるのだが、SF映画、といよりは、ファンタジー映画という方がふさわしい、キュートなエイリアンと子供たちが織りなす物語は、ステキに面白い。
ラストのエイリアンのセリフ、 “Be good.” (いい子にしているんだよ) というのも、温かい、スピルバーグにとってのエイリアン、宇宙人というのは、こんなおとぎの国の魔法使いのような存在であったか、それなのに、世の中、映画「エイリアン」に代表されるような凶悪なエリアンのイメージでいっぱいだった、映画「E.T」は大ヒットした、
配給収入では映画「エイリアン」を、大きく上回ったようだ、スピルバーグ、ひそかに、ガッツボーズしていたかもしれない‥‥ね。
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