映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」、第3回目を鑑賞してからしばらくが立ち、第4回目行きたいなあ、まだ、上映しているかなあ…と思いながら、上映館検索してみれば、残念ながら上映館は限られ、足を運ぶのは大変そう。ということで、今回は、遅ればせながら、第3回鑑賞をしてからの、考察(?)を行いたいと思います。3回目ともなると、もう書くことないのではないでしょうか、と思われる向きもあるかと思う、それは確かにそうなのだが、シャーロック・ホームズファンとしては、観るたびごとに、些細なことに引っかかり、些末なことから、様々な事柄を関連付けて推察することが、又、楽しみでもあり、今回も気が付いたこんなこと、あんなこと、について記してゆこうと思う。
今回はこんなことから。映画の中で登場人物達はよく眠る、居眠りしたり、ぐっすり眠ったり。そもそも事件の発端となったのは、疲れたために、ついついうとうとしてしまった、ということではないのか。居眠りしたからどうなるのか、というのは、もちろん映画を観てほしい。また、ぐっすり眠ってしまったために、人を死なせてしまったとか、人を殺さずに済んだとか、というところにも ”眠り“ はかかわってくる。これも、どんな時に誰がぐっすり眠ってしまうのかは、映画を見てみよう。
コナン・ドイル原作のホームズ物語で ”眠る“ であるとか ”ぐっすり眠る“ と言って思い出すのは、「シャーロック・ホームズ 最後の挨拶」に収録されている「フランシス・カーファクス姫の失踪」というエピソードであり、このエピソードでは、ある人がぐっすりと眠らされてしまう、しかも、クロロフォルムや麻酔剤といったものによって。そして、これが事件と大きくかかわってくるのだが、はたして、”眠る“ ということだけが映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」とドイル原作のエピソード「フランシス・カーファクス姫の失踪」と関連するところだろうか。
いや、いや、注意深く原作を、つまり ”正典“ を読み解くならば、まだまだ興味深い点がみられる。前回の映画評「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版 その2」で、原作、映画共にホームズとワトソン、獅子雄と若宮君は、それぞれ別行動をとっている、と書いた。実は、この、「フランシス・カーファクス姫の失踪」においても、物語の初め、ホームズとワトソンは別行動をとっている。ホームズは例によって、ロンドンを離れられないと言ってワトソンを現地に行かせるのである。
また、「フランシス・カーファクス姫の失踪」において、或る身体的特徴が犯人特定の手掛かりとなる、では、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」では?それは言うわけにはいかないので、映画を観て確かめてみよう、が、映画では実に巧みにこのことがパロディされている、と筆者は感じた。さらに、「フランシス・カーファクス姫の失踪」では、姫を熱愛する男性の登場となる。姫を守り救うべく、この男性は一生懸命だ。映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」においても、姫(?)を愛する男性が登場しなかったであろうか。
そして、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」、ドイル原作の小説「バスカヴィル家の犬」、そしてこちらもドイル原作の「フランシス・カーファクス姫の失踪」、この3作において、犯人の運命の結末は? 法の裁きの手にゆだねられるか、それとも、法の目をかいくぐって逃げおおせるのか、いや、また別の運命か。
そこのところは、やはり映画を最後まで観て、原作を最後まで読んで、確認してほしい、興味深いことが分かると思う。少なくとも、筆者には、ホームズファンには、実に興味深かったけれど。
映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」において、監督が果たして「フランシス・カーファクス姫の失踪」のパロディまでも意図していたのかどうかは筆者にはわからないが、シャーロキアンという”人種“ は、こんなふうにホームズ物語と関連があるとなると、こうなんだろう、ああなんじゃないか、などなど、果てしなく探求してしまいたくなる習性を持っていのです。
というわけで、今回は、映画「バスカヴィル家の犬 シャーロック劇場版」とドイル著「フランシス・カーファクス姫の失踪」について、考察してみました。それにしても、映画の上映が終わってしまうのは悲しいかぎり。
TVドラマ「シャーロック」の続編を切に願いながら、今回は終わりです。
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シャーロキアンて何?
ホームズ・ファンだけでなく、
ホームズも、ミステリーも初めての方も、
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ギドン・クレーメルに言及しています
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