Kororon 映画について語るBlog

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ザ・シークレットサービス   クリント・イーストウッド  主演

ザ・シークレット・サービス コレクターズ・エディション [DVD]

 

シークレットサービスというのは大統領を警護する仕事をする人々のことだと思っていたのだが、この映画を観てシークレットサービスというのは大統領警護だけではなくて、おとり捜査のような仕事もするのだとわかった、これは知らなかった。また、今でもシークレットサービスは大統領専用車と一緒になって走ったりしているのか、不思議だ、映画では専用車と一緒になって走るなんてただのデモンストレーションにすぎない、と言っていたが。

 

いずれにせよ、この映画は面白い、が、大統領暗殺を企てるジョン・マルコヴィッチ演じる暗殺者は不気味だ、薄気味悪い、映画前半を通してこの犯人が一体どこの何者だとはわからない、観ているほうは、大統領に恨みを抱き、クリント・イーストウッド演じる護衛官をストーカーしている得体のしれない変質者にしか見えなくて、或る意味、気持ち悪い、そう、前半、マルコビッチ演じる犯人の正体が分かるまではこの映画を観ていても、不気味な気持ち悪さを感じるだけ、と言っても言い過ぎではないかもしれない。

 

ところが、後半、犯人の正体というか、身元や経歴がわかると、物語にも具体性が出てきて、前半の気持ち悪さも吹き飛び、今度は、がぜん、映画に入っていける。常に警察の裏をかく犯人の周到さや、神出鬼没とも思えた犯人の不気味さがその経歴によって納得させられ、映画は面白さを増してくる。最後のクライマックス、エレベーターのシーンでのクライマックスも観客をハラハラさせていい、ここにきて、イーストウッド演じる護衛官、カッコいいとなる。

 

この映画をさらに不気味(?)に感じさせるのは、実際のケネディ大統領暗殺の事件を映画に取り込んで、イーストウッド演じる護衛官がケネディ大統領暗殺の時もケネディを護衛していた、という設定にしたところか、CGとはいえ若きイーストウッドが護衛官としてケネディと一緒の写真に写っているところも、なかなか。また、イーストウッド護衛官は大統領専用車と一緒に走ると息切れしてくたくたになるくせに、犯人を追って住宅の屋根の上を飛んだり跳ねたりしながら駆け巡る、若い警察官は追いつこうと必死、やるなあ、となる。

 

イーストウッド護衛官は、ケネディ暗殺の後、家庭崩壊の目にあって妻も子供も失ってしまうが、ここで女護衛官とのロマンスも語られる。ロマンスは結局最後ハッピーエンドになるのだが、この映画の残念なところは、最後に二人の後姿を割と、延々と映し出すところなのだと思う。このシーンをみるとこの映画がイーストウッド護衛官と女護衛官のロマンス映画だったように思えて、なんか違うような気がする、が、まあ、別にいいか、とも思う。また、ラスト、事件解決後に犯人からの留守電メッセージを聞くシーンもあるのだが、これもなんだか、事件解決後に今更感を感じ、なくても全然問題ないようにも思えるが、これも、まあ、別にいいか、とも思える。

 

が、ラストの手に汗握る緊張感はこの映画を素晴らしいと思うところであり、クリント・イーストウッドも最後はカッコよく見事に決めてくれたので、今回は二人後ろ姿のラストをちょっと残念に感じるところはあるのだが、ここは自分の好みと趣味で、この映画を ’悪くないけれど残念な映画‘ とはしないでおこうと思う。

 

ザ・シークレットサービス#クリント・イーストウッドジョン・マルコヴィッチ

 

         

JFK ディレクターズ・カット版 (字幕版)

↑ ケビン・コスナー