Kororon 映画について語るBlog

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パルプ・フィクション     クエンティン・タランティーノ 監督

今週のお題「最近見た映画」

 

パルプ・フィクション (字幕版)

 

この映画はまず、タイトルにもなっている ”パルプ・フィクション“ の定義から始まる、実際に調べてみると、pulp fiction というのは、”大衆小説、三文小説、更紙などの紙に印刷されている安っぽい小説“ など、の意味が見つかる、まあ、実際、文学作品ではないけれどね、が、この ”安っぽい小説“ なんていうタイトルのこの映画が実に面白い、よくできている、鬼才クエンティン・タランティーノ監督の最高傑作、と言う人もいる、タランティーノ監督やるなあ、という感じ。

 

物語はオムニバス形式で進行する、ちょっとスタイリッシュで、変わったオムニバス、最初観ていると、一話一話独立した物語か、と思わせられる、が、映画を最後まで見ていくと、この独立していた映画が、見事に一つの物語を作っていることに気づかせられる、監督の鮮やかな手腕、と言ったところか、時系列をひっくり返して、まぜこぜにしてたところなどは、スターウォーズシリーズと同じか、ジョージ・ルーカス言うところでは、スターウォーズシリーズでは一番面白そうなエピソードから映画化した、と。

 

パルプ・フィクション」でも、第一話に相当するエピソード、ジョン・トラボルタ演じるヴィンセント・ベガとユマ・サーマン演じるミア・ウォレスの二人のエピソードが面白い、一番面白いかもしれない、まずはこの二人のエピソードで観客の心を映画にわしづかみにするところ、タランティーノ見事。ジョン・トラボルタは、多少肉付きのいい体格になったとはいえ、出世作サタデー・ナイト・フィーバー」で見せた、軽やかなダンスの片鱗を、ユマ・サーマンとともに、結構キレるツイストダンスを披露してくれる、これもまた、楽しい。

 

サタデー・ナイト・フィーバ (字幕版) 

   ↑ ジョン・トラボルタ

 

続いて、ブルース・ウィリス演じるボクサー、ブッチとその恋人ファビアンのエピソードとなるが、これもかなりいい、ブッチは一見ガサツ者で、乱暴者のように見えるが、しっかり、恋人を大切にしている、第一話に続いてこのエピソードもかなりシュールな展開となる、タランティーノ、なんか、スゴイ。

 

そして、次のエピソードのメインキャラクター、サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールス、ジョン・トラボルタ演じるヴィンセントの相棒で、映画の冒頭からジョン・トラボルタとツーショットで登場する。このジュールスとヴィンセントに奇跡が起こった‥‥と、ジュールスは言い張る、そしてここが、この映画のポイントともなる、聖書の一節がね。

 

この奇跡に神の存在を感じるかどうかで、ヴィンセントとジュールスの運命は大きく変わる、一体何が奇跡で、二人の運命はどんな風に変わるのかは、もちろん映画を観よう、が、ヴィンセントは ’偶然‘ と言い張り、一方、ジュールスは ’神による奇跡‘ と言い張り、物語は進行する。そして、ここにきて、最後の最後に、映画「パルプフィクション」は、突如 ”パルプ“ (pulp,すなわち’安物‘) ではなくなり、観客は、神の奇跡を論じるジュールスを見ることとなる。タランティーノもそれを狙ったのか‥‥あるかもしれない。

 

パルプ・フィクション」は実にいいテンポでストーリーが進行してゆく、このいいテンポの進行の中にタランティーノは数々の、魅力をちりばめている、映画のオープニングに流れる音楽から小気味がいい、ヴィンセントがトイレに行くと’事‘が起こる、メインのキャラクター以外にも、有名俳優の配置、例えば、ティム・ロスであるとか、クリストファー・ウォーケン、やら、ハーヴェイ・カイテルなどなど、映画好きの人にはお馴染みの役者であろう。

 

というわけで、ヴィンセントもジュールスもギャングの親分の手下、という設定なので、血なまぐさいシーンはふんだんに出てくるが、観終わった後、頭の中でストーリを整理しながら、時系列で追っていくのもまた楽し、面白い映画、タランティーノの傑作であることは間違いない。

 

↓  ハ―ヴェイ・カイテル 出演映画

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