Kororon 映画について語るBlog

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映画 インファナル・アフェア    トニー・レオン/   アンディ・ラウ   主演

 

 

インファナル・アフェア [DVD]

 

 

タイトルの「インファナル・アフェア」というのは、英語で書くと、Infernal Affairs となり、Infernalは ”地獄の” であるとか “悪魔の” といった意味の形容詞であり、Affairs というのは “事柄” とか ”仕事“ といった意味であり、直訳すると ”地獄のような仕事“ となる、また、原題は「無間道」であり、”無間道“ とは ”仏教でいう無間地獄のことで、一度はいると抜け出せない、絶え間なく続く苦しみ“ のことであるという。映画はタイトルからしてシリアスであり、映画を鑑賞した後も、何かずっしり暗い雰囲気に包まれる感覚にとらわれる、大ヒットした香港映画であり、ハリウッドでリメイク版も作られている。

 

では、一度足を突っ込むと抜け出せなくなる地獄のような仕事とはいったい何か、と問われれば、それはここでは ”潜入捜査“ というものであり、映画では、マフィアに潜入した警察の潜入捜査官と、ここがこの映画の優れたところだと思うのだが、警察の捜査官とは真逆に、マフィアから警察に潜入し、警察官として周囲を欺いている ”潜入者“ も登場し、この二人が主役となり、手に汗握り、ハラハラドキドキのストーリーが展開することとなる。

 

トニー・レオン演じる警察官ヤンは10年という長い年月、潜入捜査官として働いている、潜入捜査官というのは、自身の生活と潜入した人物になりきった生活との二重生活を送らなくてはいけないという点において、かなりのストレスを感じ、任務が終了した後も普通の生活に戻ることに困難を伴う場合もあるという。劇中の潜入捜査官ヤンも10年という年月の潜入の結果、精神的に異常をきたしてきたのか、精神分析医の元に通っている、精神分析医は美人の女医、もっとも、マフィア仲間にはマッサージ、といっているようだが。

 

一方、アンディ・ラウ演じる、警察官として警察に潜入しているマフィアの一員、ラウもヤンと同じく10年にわたって警察官として偽りの生活を送っている、10年という長い年月警察官としての職務を果たしてきたラウには、どういうわけか良心の芽生えが起こり、ヤンと協力して、彼自身の親分でもあるサムを追い詰め、サムの呪縛から逃れようとする。が、悲しいかな、マフィアはマフィアのやり方でしか芽生えた良心に従うことができず、ここら辺がラウにとっての ”無間道“、”一度はいると抜け出せない地獄“ となる。この映画「インファナル・アフェア」では、ラウの精神の変調はそれほどみられないのだが、続編の映画「インファナル・アフェアIII」では、ラウの精神錯乱は彼を破滅へと追い込むほど。

 

そんな主人公二人以外で、この映画の見どころと言えば、マフィアの麻薬取引を阻止してサムを逮捕すべく、マフィアを追い詰めていく警察の作戦展開とマフィアの攻防、モールス信号を使っての警察とマフィアとの攻防は、まさに手に汗握る、何回かそんなシーンはあるのだが、冒頭の麻薬取引シーンの攻防は最高。

 

香港では、ジャッキー・チェンアンディ・ラウの2人、そして、レオン・ライとアーロン・クオックの2人を、合わせて香港四天王というらしい、ジャッキー・チェンはあまりにも日本でも有名、香港映画に特に興味のない方でも、映画ファンであればジャッキー・チェンの名前を聞いたことはあろう、筆者は昔、香港を旅行した時、ガイドさんにジャッキー・チェンの経営している店、と言われて鞄屋さんに連れていかれたことがある、バックを買ってしまったけれど……日本人の香港観光コースに入るくらい、ジャッキー・チェンという俳優は日本では有名だった。

 

 

           ↓ ジャッキー・チェン

ポリス・ストーリー3(吹替版) 

 

残念ながら、筆者は香港四天王の内の後者2人、レオン・ライ、アーロン・クオックを知らなかった、辛うじて、レオン・ライは映画「インファナル・アフェアIII」で、ヤンの同期のエリート保安部の警官を演じていて、ああ、あの俳優か、とおぼえがあったくらいである。おそらく、たいていの映画ファンも、筆者と同じ程度の認識ではなかろうか、特別に熱狂的香港映画ファンでもない限り。筆者としては、彼らの代わりにこの映画の主人公でもある、トニー・レオンと、映画「さらば、わが愛 覇王別姫」や「ブエノスアイレス」などでおなじみの、レスリー・チャンを香港四天王としたいと思ってしまう。

 

 

 ↓  レスリー・チャン

さらば、わが愛 覇王別姫(字幕版)

 

                   

 

この映画で ”無間道“ に入ってしまったのは、アンディ・ラウ演じるラウというよりも、やはり、トニー・レオン演じるヤン、であり、10年余りもの歳月、警察とマフィアという二重生活を送っている精神的 ”地獄“ を見せられて、最初に戻るが、映画を観終わった後、何かずっしりと思い感情にとらわれるのである、ラウが ”無間道“ に陥るのを見るには、映画「インファナル・アフェアIII」を待たなくてはならない。

 

大ヒットした映画である、潜入捜査官の苦悩と警察とマフィアのスリリングな攻防をこの映画で味わってほしいと思う。