Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

”涼” を感じる 甘さ

今週のお題「好きなお店」

 

   6月になった、鮎が解禁だ!といって、魚釣りの話だと思った方は早とちり。鮎は鮎でも今日の鮎は茶色く焼いた衣に牛皮を包んだ和菓子の鮎、たいていの和菓子屋さんで売っているけれど、私には毎年決まってここで買う、といったお店がある。

   以前は、京都の「望月」というお店の”若鮎“が贔屓だった、といっても、毎年鮎の時期に京都まで足を運んでいた、というわけではない、ただ、京都という町が好きで、京都に行くたびにこのお店に寄っては、鮎を買っていた。が、このお店、もうずいぶん前になるが、突然店をたたんでしまい、訪ねた時には、あれ?お店、確かここにあったのに、ない、どうしたの?なんで?!なくなっちゃった!!という感じで、ずいぶん落胆した。小さいお店で、確か、年老いたご夫婦が店先でお菓子を焼いていた記憶がある。

   鮎は、茶色く焼いた円い生地を牛皮を挟んで半月型に畳んで、本物の魚に見せる模様を焼き付けた、見るからにかわいい和菓子なんだ。茶色く焼かれた生地と牛皮の甘さが程よいコンビネイションで、頭から食べてもよし、尾ひれから食べてもよしで、本物の魚の鮎と違って、何一つ残すことなく、骨まで食べつくことのできる美味しさ…‥まあ、骨はないんだけれど。

   このお店、いつ行っても、たいてい行列ができていて、レジにたどり着くまで、列で待ちながら目の前のケースに並べられた他の和菓子を見ながら待つことになる、そんな時、つい、また、買ってしまう和菓子ってある、なんでしょう?

   答えは、三角形の白いういろうの上に小豆がのった、水無月、という和菓子。鮎と同じくらいの時期に和菓子屋さんの店頭に並び始める。この和菓子も時機を逸すると、又、次の年になるまで食べることのできない菓子なので、見つけた時には迷わず購入することにしている。京都では6月の30日に食べる習慣があるということだ。

   暑くて仕方のないときに氷を口に含むととても気持ちがいい、一瞬暑さを忘れる、現代では暑い夏に氷、普通過ぎる、製氷機があれば簡単に氷は作れる、が、昔は氷はお金持ちしか手に入れられなくて、一般庶民の口にはなかなか入らなかったらしい、昔だって、夏は暑かったろうに、大変だったろうな。

   去年の夏は暑かった、今年の夏も暑くなりそうだ、夏バテしないようにみんな気をつけなくちゃ。昔の人はどうしていたのだろう、エアコンも扇風機もないし、氷だってままならない、うちわと、そよ吹く自然の風と、風鈴か。

   エアコンや扇風機があったって、この暑さ何とかならないか、もう限界、と思える夏の日はあって、暑さで亡くなる人がいるくらいだ、昔だって暑い夏を乗り切れないで、病に倒れたり亡くなったりした人はいたに違いない、今よりも、そんな人が多かったと考えることもできる。

   水無月という和菓子は、氷に見たてた三角形のういろうの上に、邪気を払うと思われていた小豆をのせた、そんな暑さを無事に乗り切ろうという願いを込めた、そんな和菓子だ。

   元気いっぱいの”若鮎“と一緒に”水無月“、冷たい和菓子ではないけれど、暑い中に“涼”を感じ取ろうとする昔の人の知恵が見えてくる。

   さあ、今年も、レジを待つ列に並んで”若鮎”と”水無月“ゲットして、暑い初夏の日、甘いお菓子でひと時を。

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