Kororon 映画について語るBlog

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隠し砦の三悪人  三船敏郎 主演 /  黒澤明 監督

 

隠し砦の三悪人

黒澤明監督の長編時代劇、長い映画だけれど決して退屈しない、面白い、いい映画、娯楽大作映画、黒澤明という監督は本当にストーリーテリングのツボを知り尽くしていたような映画を何本もとっている日本が誇る素晴らしい監督であると思う、いまさらいうまでもないか。

 

この映画の見どころはいくつもあるのだが、まず、この映画を観ていつも思うことは「隠し砦の三悪人」というタイトルの “三悪人” ってだれ? ”隠し砦“ と言うのは、映画の最初にでてくる三船敏郎演じる真壁六郎田や上原美佐演じる雪姫たちが隠れていた場所のことをいうのだろう、三悪人の三人は? 姫を悪人というのはないと思うので、真壁六郎田と千秋実演じる太平と藤原釜足演じる又七の三人かな、と思ったり、いやいや、太平と又七は悪人というにはキャラが抜けすぎている、悪人というからにはもっと抜け目なく立ち回る悪さがなければいけない、ならば、やっぱり姫も加えて、ラスト、三人そろい踏みで見事に決めてくれる、真壁六郎田と雪姫と藤田進演じる田所兵衛の三人かな、でも、田所兵衛は隠し砦にはいなかった、いや、隠し砦にはいなかったが、やはり、ラスト、砦にはいたし、ある意味、’悪人‘ のカテゴリーに入れてもいい役回り、ここら辺は、映画を観て確認してもらいたい‥‥‥‥というように、どうも、タイトルの3人がどの3人なのかは何度この映画を観てもはっきりしない…まあ、面白くていい映画なので、そんなところはいいか‥‥と思ってしまう。

 

登場人物が皆それぞれの役どころでいい、三船敏郎の真壁は侍で、姫を守るという緊張感が常について回っているから、まじめでいつも太平と又七を怒ってばかり、というイメージが強い、姫も逃亡中という状況下、この二人に笑いを求めるのはやはり無理、が、この二人は二人で映画に緊張感と格調とアクションのみごたえを作ってくれる、さらに、この長い映画を飽きさせないポイントに挙げられる、ユーモア、笑い担当の太平、又七、そして、彼らに絡んでくる数々の悪人、善人、などなど…‥この作品の大きな魅力。

 

この映画には見せ場もCOOLなシーンも数多くあるけれど、一つ上げると、ラスト近く登場人物たちが馬で疾走するシーンではないか、3頭の馬が疾風のごとく一直線に駆け抜ける、観ていて胸がスッとすく場面、馬にまたがって疾走すべき人たちがもれなく馬に乗っていける、といったところもいい、何のことだかわからない場合は、やはり、映画で確認して‥‥とにかくも、カッコいいなあ、と感じるところ。

 

用心棒

                    椿三十郎

 

そして、三船敏郎の演じる侍はいい、やっぱり、この映画のほかにも黒澤明監督の「用心棒」や「椿三十郎」も最高だと思う、もちろん、三船演じる侍だけではなく、この2作品、ストーリーも映像もいい、これらの作品も見てほしい、黒澤映画の虜になるよ。

 

黒澤明監督の映画には「七人の侍」という大作があるのだが、今回は三船敏郎がCOOLな侍を演じている作品、ということで「隠し砦の三悪人」でした、いい映画、ぜひどうぞ!