スター・ウォーズのアウトロー、ハン・ソロ船長の役で一世を風靡したハリソン・フォードがアメリカの大統領としてテロリストに乗っ取られた大統領専用機エア・フォース・ワンで大活躍する映画、とにかく、乗っ取られた飛行機でほぼハリソン・フォードの一人舞台、宇宙を駆け巡ったミレニアム・ファルコンから大空をかけ巡る大統領専用機と所を変えて、大活躍、そんな映画だ。
ハリソン・フォードは、ハリソン・フォードであるだけでカッコいいのに、ハリソン・フォードの大統領、カッコよすぎる、こんな大統領いるはずないだろう!と思わず言いたくなるが、フィクションだから、と言い聞かせる。映画が公開された1997年当時の実際のアメリカ合衆国大統領はビル・クリントンであるが、クリントンがこの映画のようにいくわけは決してないな、と思い改めてこれはフィクション、と言い聞かせる。
スーパーマン・大統領以外では、テロリストを怪演したゲイリー・オールドマンが怖かった。ジャン・レノが主演したフランス映画「レオン」でも、かなりキレていて普通ではない刑事を演じている。今回のテロリスト役は「レオン」の刑事には及ばないと感ずるが、それでも、なお、怖かった。ゲイリー・オールドマンといってもピンとくる人はこれもまた少ないと思うが、映画「ハリー・ポッター」シリーズでハリーの親代わりとでもいうシリウス・ブラックを演じた俳優だ、と言った方が多少はピンとくる人もいるのではないかしら。なお、「不滅の恋 / ベートーベン」の、ベートーベン役のゲーリー・オールドマンも実に印象的。
また、副大統領役のグレン・グローズは出番は少なかったが、ごつくていかつい女副大統領というイメージで頑張っていた。20年以上も前の映画なのに、すでに、女性副大統領を登場させていたところは時世をかなり先取りしていたと思える。もっとも、当時のファーストレディはヒラリー・クリントンであり、何かと注目を集めていたヒラリーをイメージすれば、映画の中でも女性副大統領が出てくるのはさもありなんか。
映画のタイトルでもある”エア・フォース・ワン“についていえば、本当にこんなことが大統領専用機でありうるの? こんなことありえないだろう!!! と、叫びたくな りそうになる映画。核のボタンは本当にリセットされて奪われた方は操作不能になるのか? 飛行機の中であんなに銃撃戦をして本当に大丈夫なのか? アメリカ国民が新聞記者も含めて、あんなに事態をかたずをのんで本当に見守るのか?それ程まで情報をメディアに流すのか? 護衛としてあんなに戦闘機が本当に出てくるのか? ミサイルで爆撃されたり、敵機爆撃したりして、あれじゃ戦争になるだろう!‥‥などなど、観ていてあげればきりがないくらい。フィクションなんだよ!!! と、言い聞かせなくてはならない場面が多すぎた。
こんなことばかり書いているけれど、では、映画そのものはどうだったの? と、問われれば‥‥楽しめました。いろいろ物申したいことは多々あるけれど、結局、面白かった。ハリソン・フォードは現実離れするほどカッコよく、とても楽しめる映画なのだけれど、物申したい部分が多すぎたということで、“悪くはないけれど、残念な映画” としたいと思う、やっぱり、最後は ”ありえないよ!!!“ と絶叫しそうな感じでした。