自分の土地を持たず、地主の搾取によって苦しめられている、アイルランドの農民の兄弟の末子のトム・クルーズ、地主の娘で、贅沢に愛情深く育てられたお嬢様のニコール・キッドマン、この二人が主役となって、海を渡り、新天地アメリカで、アメリカンドリームを求めて悪戦苦闘する姿を描く、“あの” トム・クルーズが畑仕事で泥だらけになり、兄弟たちと殴り合いのバトルをしている姿をまず観客は観ることになる、それまでに「トップガン」や「ハスラー2」や「デイズ・オブ・サンダー」で、戦闘機をとばしたり、ビリヤードでミラクルショットを決めたり、レーシングカーを操る、どちらかというと ’スマート‘ な役どころのトム・クルーズを見慣れていたものにとっては、泥まみれのトム・クルーズは、或る意味、衝撃的だった。
かたや、地主の娘、お金持ちのニコールキッドマンは、相変わらず美しいが、新天地アメリカでは、アイルランドにいた時のような贅沢はできない生活に追いやられ、物語の途中では、母国アイルランドの地主の屋敷は、地主の横暴にとうとうキレた農民たちの蜂起によって焼かれてしまったりして、次第に ’泥まみれ‘ トム・クルーズ との距離がだんだん縮まっていく、距離が縮まっていくだけでなく、お互いの感情も少しづつ縮まっていく過程が映画全般を通して描かれる。
トム・クルーズはこの映画の中で、拳闘家としての肉体美を思う存分披露してくれる、この最強の拳闘家の役どころは、冒頭の兄弟との殴り合いのバトルの伏線となっている、拳闘家として成功して、少しづつ生活にゆとりが出てくると、新天地に来た本来の目的を忘れてしまいがちになる、という展開は特に珍しい展開ではなく、よくありがちなストーリーか、という点にこの映画の残念さがあると感じる。
演じているのがトム・クルーズとニコール・キッドマンの ‘美しい’ 二人だからストーリーの物足りなさも許せる、と勝手に筆者は思ったりする、いや、逆に、’美しい‘ 二人が主役だから、新天地での苦労生活の描写にしっくりこず、ストーリー設定との違和感、ギャップを感じてしまうのか。
ストーリーは紆余曲折のすえ、ラストを迎えるのだが、このラストはいい、迫力があって、ついつい引き込まれる、この映画のハイライトだと思う、アイルランドからはるばるアメリカまでやってきたトム・クルーズ演じるジョゼフ君の目的もここにあり、いつしかニコール・キッドマン演じるシャノン嬢の目的ともなる、このラストのシーンだけで、筆者はこの映画を ’悪くない‘ 映画、といいたい。
トム・クルーズ主演という映画だったのだが、撮影方式以外で特段、話題になった、という記憶はない映画なのだ、が、この映画のラストのレースはいい、そして、なかなか余韻の残るいいラストシーンなのである。
ということで、筆者はこの映画を ‘悪くはないけれど’、そう、決して ‘悪くはない’ 映画、としたいと思う。
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