Kororon 映画について語るBlog

映画を語りつくす blog ☆ いい映画も、残念な映画も、好きな映画に、無理(?) な映画も、時に、ドラマも

 映画「64(ロクヨン)」    佐藤浩市 主演 /  横山秀夫 原作

 

64-ロクヨン-前編

 

「64(ロクヨン)」というのはなんの数字か? とまず、最初に思うのではないかと思う。“64” というのは、昭和64年のことであり、天皇崩御のために、わずか7日間しかなかった昭和であり、その7日間に起こった事件がこの小説の核になるところ、この映画の核にもなるストーリーなのである。

 

  筆者は映画も見て、小説も読んだのであるが、思うに、筆者はもしかしたら、映画のほうが小説を越えているのでは、観ているものを引き込む力があったのでは、と思ってしまった。小説ももちろん悪くはないのである、核になる昭和64年の事件、警察とマスコミの攻防、警察内部の抗争、主人公、三上警視の家庭問題、などなど、様々なストーリーが複雑に絡み合って、紡ぎあいながら、物語は展開していくのであるが、筆者が初めてこの小説を読んだ時に感じた感想というのは、事件がなかなか起こらないなあ、というものであって、小説の後半になって、映画ではズバリ、後編であるのだが、とにかく、小説の後半になって、やっと物語が展開し始めたというか、回りだしたというか、そんな感想を抱いた、そこにたどり着くまで、マスコミ、警察内部、もちろん、後半の事件に関連する様々な出来事が起こるのであるが、筆者にとっては、少々長すぎた‥‥と感じてしまったのである。

 

  では、映像のほうはどうなんだ、と問われるであろう、今回の映画「64(ロクヨン)」についていうならば、映像では前半の肝心の事件が起きる前の、いわゆる、前置きをうまく視聴者の関心を惹きつけながら、忘れてはいけないよ、14年前の昭和64年の事件のことも、と、ちゃんとフォローしながら、映画は進んでいく、それに、役者の演技もうまいので、観ていて飽きない、マスコミとの確執も、うまく、映像にして、映画後半につないでいった、と、かなり、筆者は評価しているのである。

 

  警察内部の様子、であるとか、警察の内部事情、などは、筆者はTVドラマ「相棒」のファンであり、TVドラマ「相棒」を頻繁に見ているので、割と、見慣れた映像なのである。こちらは刑事2人の相棒のドラマであるのだが、同時に、或る意味、警察内部の様子もよくわかる、警察ドラマ、とも言えたりする。ただ、三上警視の所属している広報課とこちら ”相棒“ の広報課を比べてみると、かなり、様子の違う広報課が描かれている、もっとも、舞台も前者はD県警、後者は警視庁と、舞台となる場所が異なるのだから当たり前と言えば当たり前。

 

  ただ、今回の映画「64(ロクヨン)」では、刑事ドラマ、警察ドラマ、などでは、とかく、スポットライトを浴びることが少ない、広報課、という部署に、思い切り、スポットライトを浴びさせて、匿名報道か、実名報道か、をめぐって、三上警視とマスコミとのバトルを描いたところに、今までの警察ドラマにはなかった、新しさがあったかとも思われる。だた、匿名か実名かという、三上警視とマスコミのバトルは、先にも書いたこの映画の核となる昭和64年に起きた事件とは、直接には、全くかかわりを持たない。確かに、新しい斬新な切り口ではあるのだが、映画の核心、言い換えると、小説のストーリーの核心、とは直接のかかわりを持たないだけに、小説を読んでいた時には、妙に前半長いなあ、と、筆者が感じてしまった所以ではないのかと思う。

 

64-ロクヨン-後編

 

  では、後半はどうなのか? 後半では、事件は急展開する、もちろん、“64” で起きた事件の真相も解明され、過去と現在で起きている様々な事件の伏線は回収され、手に汗握り、ハラハラ、ドキドキさせられ、食い入るように、と言ったらおおげさかもしれないが、とにかく、時のたつのも忘れて映像を見ることができるのである。TVドラマ「北の国から」で、実にうまい子役であった吉岡秀隆君の警察官役もいい、彼の残した ”幸田メモ“ というのも事件と大きくかかわってくる、また、三浦友和演じる捜査一課長もいい、犯人を追う捜査車両の中で、三上警視を恫喝するところは、実にカッコいい、と思った。そして、もちろん、主役である三上警視、マスコミとのバトル、家庭での苦悩、64事件の犯人を取り逃がしたことへの自責の念…などなど、演ずる佐藤浩市の演技がとてもいいと、思う。

 

やはり、前半、後半、供に、見所のある映画なのである、なので、やはり、この映画、一度は見ても “いい” 映画かな、と思う次第。未見の方は、是非どうぞ。

 

 

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